リサ・クリスティー-8
翌朝
三人はフレンドルームに集まり
富士山麓湖畔のロッジに
ログインする。
人も少なかったので
ロッジコミュニティの予約も
スムーズにとれた。
ロッジから外に出ると
目の前に湖があり
対岸には悠々とした
富士山が貫禄を見せる。
リサ:
「すごい…これが富士山なの?」
カノン:
「リサは富士山見るの初めて?」
リサ:
「ええ……そうなの…
こんなに大きくて
美しいのね………」
義人は心配そうにリサを見つめる。
カノンはすかさず
リサの手を引き
水際まで連れていく。
カノン:
「見てみて!湖で泳いでもいいし
予約すれば釣りも出来るのよ!
それに、あれ!
バナナボートって言うの
昔、リアルの世界で
大流行したんだって
バーチャルになると
迫力が無いから
今では飾りみたいになってるけど
ちゃんと乗れるよ」
リサ:
「へ〜楽しそうね♪」
カノン:
「リサは何をしてみたい?」
リサ:
「そうね……
水に入ってみたいかな」
三人は一旦ロッジに戻り
水着に着替える事にして
カノンが義人に釘を刺す。
カノン:
「義人〜絶対に着替えを
覗いちゃダメだよ!」
義人:
「は?アバターの
着替えなんか一瞬だし
覗いたところで
意味がないだろ?」
カノン:
「きゃははは照れてんの?」
カノンとリサが先に水着に着替えて
ロッジから出てくる。
リサの水着は緑のビキニで
脚がすらりと長く
まさにモデルのような
体型だった。
カノン:
「ほへぇ〜リサのスタイル凄すぎる
私なんだか子供みたい……」
リサ:
「ふふふ、そんな事無いわよ
カノンの方が
おっぱい大きいし可愛いわよ♪
それに、その水着良いわね
似合ってるわ♪」
カノン:
「うん、ハワイのために
買ったんだけど…
リサは何カップあるの?
リサを見たら私の水着なんて
完全にぼやけてしまっているわ!
ショップ店員さんが言ってた事
本当だった……」
リサ:
「ふふふ、私はDかな♪」
そこに義人も水着になって出てくる。
義人:
「なんだ?もう外に出ていたのか?
まだかと思って
リビングで待ってたのに」
義人の目に二人の水着姿が
飛び込んでくる。
身長170cmくらいのリサは
グリーンのビキニ
スタイルはモデルのように
申し分ない。
それに対して
カノンは身長160cmくらいで
ピンクのハイレグワンピースEの65
義人はアバターだと
理解しながらも
二人を見とれてしまう。
カノン:
「義人……
ちょっと見すぎじゃない?」
義人:
「バ、バカ言うなよ…」
カノン:
「水着姿の私は凄いでしょ?
私のアバターはリアルと
サイズを一緒にしてるのよ♪
あっ!今!私の胸を見たでしょ?」
義人:
「あのな〜」
カノン:
「ところでリサ…
リサのアバターって
リアルとは違うの?」
リサ:
「さてね♪どうでしょうか?
同じかもしれないし
食べ過ぎて、物凄くおデブかも♪
知らない方がミステリアスで
良くない?」
義人はカノンの質問に息を飲み
カノンを注意する。
義人:
「カノン!バーチャルの世界では
リアルの事は知る必要無いだろ?
いくら友達と言っても
聞いて良いことと
悪い事があるんじゃ無いかな?」
リサ:
「いいのよ♪義人
私も答えれる事と
答えられない事は
しっかりしているから…」
カノン:
「そうよね…ごめん……」
三人は湖で水遊びをするが
リサが水の温度に反応する。
リサ:
「わぁ冷たい♪」
カノン:
「え!?リサは温度が解るの?
私とか
通常のバーチャルゴーグルだから
温度は解らないよ……
もしかして
リサはカプセルスキャンなの!?
え!?えーー!?
リサってお金持ち?」
リサ:
「え!?そうなの?
よく解らないけど……」
カノン:
「お金持ちはカプセルスキャンの
人がいるって聞いたことがある!
って事は
リサのアバターはリアルと同じ!?」
リサ:
「そんな事無いわ
だってダミーアバターに
変えれたでしょ?」
カノン:
「あーそうか…どうしてなのかな…」
義人:
「カノン!もういいだろ?
冷たいって潜在意識から
言葉が出る事だってあるだろう?」
カノン:
「そっかあ……」
義人:
「いいから!次はボートに乗ろう!」
カノン:
「う、うん……」
三人は湖コミュニティを
存分に楽しむ。
そして昼になる。