リサ・クリスティー-2
義人とカノン
ダミーアバターのリサが
リサ・クリスティ
マーネージメント広報室で
打ち合わせをしていた。
そこに吉良かおりが入ってくる。
カノンがかおりに気がつく。
カノン:
「あら?先輩?
どうしてココに?」
かおり:
「秘書ってのも意外と退屈なのよ
社長も出張で居ないし」
カノン:
「社長に
ついて行かないんですか?」
かおり:
「社長のお供をするのは
第一秘書だけ
あんまり大人数で外を
ウロウロするのも怖いでしょ?」
カノン:
「そうなんですね?
それで今日はどうしたんですか?」
かおり:
「そうそう
リサ・クリスティって
どんな娘か見に来たのよ………
今日はまだ来てないの?」
カノン:
「リサならココに居ますけど……」
リサ:
「私がリサですが…」
かおり:
「え!?あなたが
リサ・クリスティなの!?」
リサ:
「はい……そうですが……」
かおり:
「思っていたより小さいのね……」
カノン:
「リサは普段は
ダミーアバターなんです」
かおり:
「ああ!そうよね?
びっくりしたわ〜
それでなんのお話ししていたの?」
義人:
「これからの
スケジュールなどです」
かおり:
「琴音…こちらの方は?」
カノン:
「私とこの広報室で
一緒にリサの
マネージャーをしている
松雪君です」
義人:
「松雪です」
かおり:
「ふ〜ん、吉良かおりよ……
これでも一応社長秘書なの」
義人:
「はあ………」
かおり:
「松雪君は入社何年目なの?」
義人:
「三年目ですけど」
かおりはカノンに小声で話す。
「琴音…何この子
愛想良くないわね?」
カノン:
「彼はプライベートでも
あまりしゃべらないんです…」
かおり:
「話しは変わるんだけども
ココ最近、新入社員が来たって
話し聞かない?」
カノン:
「どうしてですか?」
かおり:
「中途採用してない
うちの会社に、一人入ったって
噂聞いたのよ………
人事課に問い合わせても
そんな社員は居ないって言うし
ちょっと気になって……
総務課には
そんな人居ないわよね?」
カノン:
「新入社員とかは無いですね……
そんな事より
私たちマネージャーの仕事で
もう手いっぱいですから
大変ですよぉ……」
かおり:
「そ、それは大変ね……
まぁ何かあったら教えてね♪
それじゃ頑張って♪」
吉良かおりは広報室を出ていき
社内の各部署を探して廻る。
秘書室に戻ると
社員履歴データを引っ張り出し
閲覧していく。
しかし、それらしい情報は
確認されなかったので
再度、新人情報をくまなく
検索する。
「社長の口振りから
ようやく入社したって
言う感じだったから
途中入社だと
思ったんだけどな〜
今年の新人の中にも西園寺なんて
変わった苗字の子は居ないし……
もう!お手上げだわ!
違う会社かな〜?でも
あの声はリアルの
西園寺社長よ!絶対!
まだ入社してないのかしら?
いいえ!仕事を始めたって
言っていたわ!
私の会社でって!
もう一度、社長の周辺から
当たってみるか
専務や常務の秘書室とか
徹底的に虱潰しに探してやるー!!」