ホテルがなくて-1
『男の人の部屋に泊まるってことが、どういうことか、分かるよね?』
と、裕哉は、軽く脅す。
麻衣は、黙って頷く。
『ホテル代を半分出せ、とか、そんなケチなこと言わないから大丈夫だよ(笑)』
と、裕哉は冗談を言うが、麻衣の顔はこわばっている。
麻衣がフロントを通過する際、フロントのスタッフは何も言わなかった。
そもそも、海外では、日本と違って、1人で泊まろうが2人で泊まろうが、料金は同じなのである。
部屋に入り、麻衣が荷を解く間に、裕哉はシャワーを浴びる。
シャワーから出て、ベッドに寝ころぶ。
続けて、麻衣もシャワーを浴びる。
15分ほどで、ドライヤーの音が聞こえてきた。
30分ほどで、バスルームから麻衣が出てきた。
短パンにTシャツという格好である。
さっきまでは、ジーンズにパーカーという格好だったので分からなかったが、けっこうスタイルが良い。
Tシャツの下には、白いブラジャーが透けて見える。
短パンのお尻は、プリッとしている。
Tシャツを盛り上げる胸は、巨乳とまではいかないが、けっこうな大きさに見える。
『なかなかスタイルの良い子のようだ。』
と、裕哉は思った。
短パンから出る足も、綺麗で細い。
モデルのような細さではなく、ほど良く肉のついた、健康的な細さである。
太股などは、はちきれんばかりに、若さをアピールしている。
裕哉は、ムラムラしてきた。
電気を消して、2人とも、それぞれのベッドに入る。
しばらく沈黙が続く。
『あの、、私が、そちらに行った方がいいでしょうか?』
と、麻衣が聞いてくる。
『いいよ、無理しなくて。女性の弱みにつけ込んで、身体をいただこうなんて思ってないから。』
と、裕哉が返事をする。
『でも、、』
と、麻衣が言葉に詰まる。
裕哉が続けて、
『でも、麻衣ちゃんが、こっちで一緒に寝たいっていうのなら、最高に嬉しいけどね。』
と言う。
しばらく、無言の時間が過ぎる。
2〜3分ほどだったが、とてつもなく長い時間に思えた。
麻衣は、いろいろ考えた。
空港からのバス代を、裕哉は受け取らなかった。
そして、ハンバーガー代も出してくれた。
それでいて、見返りを求めないというのは、優しい人なんだろう。
麻衣は、今、誰かに寄りかかりたい気分になっている。
心配とか不安を通り越してしまっていた。
麻衣は、ベッドから起きあがる。
そして、裕哉のベッドに近づいてくる。
『一緒に寝るなら、短パンとシャツは脱いで、下着だけになってから、こっちにおいで。』
覚悟を決めた麻衣は、言われるままに脱いで、ブラジャーとパンティだけになって、裕哉のベッドに入ってきた。
裕哉は、女性が服を脱いでいる姿が、大好きである。
麻衣は、今の若い子にしては珍しく、ブラジャーもパンティも、白い清楚なものだった。
髪の毛も黒いし、派手さはどこにも見えない。
基本、真面目で地味な子なんだと思う。
『麻衣ちゃんの身体、好きにしていいの?』
『・・はい。』