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女子大生 麻衣の冒険1
【OL/お姉さん 官能小説】

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ストックホルムの空港で途方に暮れる-1

大学4年生の麻衣は、スウェーデンの首都、ストックホルムの、アーランダ国際空港に降り立った。
時間は、お昼の3時半を過ぎたぐらいなのに、もう外は陽が暮れかかっていた。
この時期、北欧の昼は短い。

麻衣は、真面目で素直な性格のおかげか、すでに就職も決まり、時間はある。
ただ、海外に来たきっかけは、彼氏にフラれたことだった。

4か月前、バイト先で知り合った男に、告白された。
告白されたその日に、ホテルに行って、抱かれた。
その時、麻衣は処女だった。

麻衣にとって2人目の彼氏だった。
1人目は、高校2年の時の彼氏で、告白されて付き合ったものの、キスどころか、手も繋がないまま、自然に終わってしまった。

大学に入って、ずっと彼氏が出来なかったから、焦っていたのもあった。
その彼氏に、麻衣は真剣に向き合った。

だから、求められて、すぐに身体を許した。
もちろん、早く処女を卒業したいという思いもあった。

大学の友人たちには、麻衣には絶対に彼氏がいる、モテる、と思われている。
それが、実は男性経験のない処女だ、とは言えない。

正直、処女であることが重荷だったのも事実である。

しかし、相手の男は遊びだった。
麻衣と会うのは、いつもホテルで、昼間のデートは1度もない。

そのうち、ホテルにも行かなくなり、車の中で身体を求めるようになってきた。

『映画に行ったり、水族館でデートとかしたい。』
と麻衣が言うと、面倒臭そうな顔をする。

そして、
『え〜、面倒臭ぇ〜。』
と言うのが、口ぐせの男だった。

そして、一緒に食事に行くこともなくなり、コンビニで弁当を買って、駐車場に停めた車の中で食べたりするようになった。

業を煮やして、麻衣が、
『私とは遊び? 身体だけの付き合いなの?』
と聞いた。

すると、
『当たり前じゃん! なにマジになってんの?』
と、逆ギレされた。

麻衣は深く傷つき、ひっそり、彼の元から離れた。

付きまとってくるような男ではなかったのが、せめてもの救いだった。

そんな心の傷を癒す意味も込めて、麻衣は1人で海外に行くことにした。
安心、安全のパックツアーではなく、すべて自分1人の力で乗り切るために、航空券だけを買って、行き当たりばったりで、ホテルに泊まったり観光をするつもりだった。

旅行代理店に行くと、中国系の航空会社のヨーロッパ行きが安かった。
上海経由で、上海空港での乗り継ぎが、けっこう時間がかかるので、それで安かった。

ロンドン、パリ、フランクフルト、ストックホルムが、同じ値段だったので、どうせなら、と一番マイナーな都市を選んだ。

帰りは、満席の便が多く、フランクフルトから成田に戻るフライトになってしまった。
よって、ストックホルムからフランクフルトまで、自力で、いろいろ観光しながら、移動するつもりだった。

それで、意気揚々と単身で海外に乗り込んだつもりだった。
1人で、ヨーロッパを旅して、心の汚れを落とすつもりでいた。

そんな麻衣の心意気は、ストックホルム到着時に、すぐにへし折られた。

当たり前だが、空港内に、日本語表記がまったく無い。

まず、市内の中心部に行こうと、バス乗り場に行くが、切符売り場が見あたらない。
空港のスタッフに、英語で話しかけるものの、何を言われているのか、聞き取れない。

そして、空港の地下には、鉄道駅もあるが、改札もなければ、切符売り場もない。
一体、どうやってバスや電車に乗ればいいのか、分からない。

麻衣は、そんな海外の雰囲気に触れ、一気に不安に襲われた。

どうしていいのか分からず、途方に暮れてしまった。
長旅で疲れたせいもあるが、麻衣は、空港内のベンチに、座り込んでしまった。

徐々に日が暮れ、外が暗くなっていく。
そのことが、余計に、麻衣の不安を掻き立てる。

飛行機が到着するたびに、次から次に、乗客が吐き出されていく。

そんな乗客の中に、1人、日本人っぽい顔立ちの男性がいた。
スーツケースではなく、リュックのようなものを背負った、1人旅のようである。

空港内の両替所で、1万円札を出して、両替をしているのも確認した。
日本円を持っているぐらいだから、間違いなく日本人だろう。


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