HeartFull・Love~3rd・chapter~-2
ん?廊下&バケツだと?はっはっは、何バカなことほざいているのかしら、この教師は。ほほほ。
と、心の中で思い、手の甲を口にあててそれらしい笑い方のマネをする私。
『綾瀬、バケツ一個追加。』
「はぇ?」
『考えてることが分かりやすいなお前。バカで悪かったな。』
「なッッ!すいません…。廊下イッテキマス…。」
隣では暁が声を殺して大爆笑している。あ〜、悔しいッ!
つか、なんだよ!!分かりやすいっていうより的確に人の心を読み取ってんじゃんか!!新たな敵だな…。心のライバルノートにメモっとこう。
「里紗行こうか〜。」
「うん。」
新・私の心のライバル、山田にも動じないとは…。すごいよ暁!!
そして廊下に立つ私達。暁はバケツ一杯。私2杯。
「一杯持とうか?」
「いや!この機会に私は筋力をつける!」
「そうなのか〜、頑張ってくれよ!!」
おう!!がんばるぜ!
「そういやさぁ〜、俺、里紗ん家行きたいなぁ〜。」
「ひゃい!?」
暁のいきなりの提案でビックリする私。だってよぉ!初デートがお家デートなんて…何されるか、わ〜か〜ら〜な〜い♪きゃッ♪って、何一人で妄想膨らましてんねん私!!
「里紗の料理が食べたい〜。」
はい来た問題発言2nd!!私に料理作らせるなんて…はっ、神様だろうがハイジだろうが私の家に住みたくなるぜ?天使のフルーツなんて目じゃないぜ!!
「いつでも来ていいよ♪」
「じゃぁ今日行こう〜。」
今日かよ!!どうしましょう私。愛しい彼の頼みを断るわけにもいかないし…、どうする!どーすんの私!?
「ダメかな?」
「いやッ、ダメじゃない!って痛ぁ!」
「ど、どうした!?」
「腕つった…。」
「はぁ、しょうがないなぁ。持ってあげる♪」
「ありがとッッ。」
「その代わりに美味しい料理作れよ〜。」
「ま・か・せ・な♪」
〜〜〜そして帰り道〜〜〜
ぬぅ。何を暁に作ってあげればいいのか…。佃煮とかか?それか冷奴か、雑炊とかか…。
「買い出し行く?」
「いや、たぶん大丈夫かなー。」
「そっか♪お、着いたぞ〜。」
「ぬぅ…。まぁ上がって!」
着いてしまった!!料理何にしようか決まって無いのに…。あぁ!!どうする!!どーなんの私!?
「おじゃましまーすー。」
「誰もいないよ〜。」
「なんで?」
「お父さんがお母さんと愛の逃避行しやがったんだ!!」
「里紗も大変だね…。」
「気持ちが10代なんだよ…。」