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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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思いがけない出来事 2-3

「ああ。3人の中で、一番の頑固者だろうな。」

田辺は不思議そうな顔をして男の顔を見た。
「紗理奈……。長女が一番頑固者じゃないのか?オレの目にはそう映ったが。」
「ああ。あれもかなりの頑固者だ。
 頑固者というよりは気が強いと言った方がいいかもしれんな。
 それに、あいつにはいつも誰かが必ずそばにいた。
 それに比べたら、美奈子はずっと孤独に耐えてきた。
 そこの強さが違うんだよ。」
「なるほど。孤独を経験した女は強いってことか。」
「ああ。精神的にも、肉体的にもな。
 でなきゃ、こんな無茶をするなんて言い出さないだろう。」
「ああ、全くだ。お、気が付いたか?」

二人は話を止め美奈子の顔を覗き込んだ。
美奈子の身体がもぞもぞと動き、瞼が動いている。
「田辺。オレはこのまま戻るよ。 
 美奈子には会わない方がいい。」
「そうか。でも、本当に大丈夫なのか?」
「ああ。意識が戻った時間から考えても、想定の範囲内だ。
 畳の下にいるから、何か問題があったら呼んでくれ。」
「いざという時は、か?」
「ああ。美奈子の意識が戻って5分経って、呼ばれなければオレはそのまま戻る。」
「わかった。その後は?」

男は取り出した道具を鞄にしまいながら続けた。
「美奈子はとりあえず、しばらくは安静だ。
 少なくとも3時間。まあ、6時間は大人しくさせておきたいところだ。
 それ以外は、予定通りに頼む。」

田辺は声を潜め、香澄の方を見ながら言った。
「(香澄は)どうすればいい?」
「そうだったな。予定どおりにできるかどうかも、彼女次第だな。
 美奈子の意識が戻ったら、美奈子から話すように伝えてくれ。
 賢明な女性だ。察してくれるだろう。
 じゃあ、よろしく頼む。」

男は美奈子の顔をもう一度のぞき込むと、そのまま畳の下へ入っていった。
畳が閉じる直前、香澄は男の目が自分を見つめたまま、軽く微笑んだ気がした。


それから10秒もしないうちに、美奈子はゆっくりと目を開き、
そしてそのまま周りを見回した。
田辺も、香澄も、美奈子の顔を覗き込む。
「……。」
「美奈子。気が付いたか?」
「……。ああ。あ、わたし、今、死んでた?」
「まあ、そんなところだ。」
「そっか。ああ、でも、やっぱり凄かった。
 死んでもいいと思うくらい、死んじゃうくらい、よかった。」
「それより、どこか変なところはないか?}
「そうだなぁ。命がけでギリギリをやりたいと思う性格かな。それ以外は大丈夫。」

香澄が目を戻すと、すでに畳は元通りになっていた。
「美奈子ちゃん。」
「あ、香澄さん。あれ?なんで?あ、ダメじゃん。田辺さん。」
「いや、どうしても美奈子のそばを離れないってな。
 向こうへ戻れと、何度も言ったんだ。
 殺すぞって脅したら、レイプされた方がましだって答えやがった。」

「香澄さんらしいね。あ、ってことは、香澄さんにはバレちゃったの?」
「さあ、どうだろう。とにかくきちんと話した方がいいだろう。」
「話さないとダメ、かな?」
「ああ。美奈子。お前から話してやってくれ。
 オレは、まだやることがあるからな。」

「あ、そうだ。ねえ、わたしはもう助かったことにしてもいいの?」
美奈子は突然思いついたように田辺に尋ねた。
「いや、まだ意識不明でいてくれないと困る。
 あっちの部屋は、まだ何も解決していないからな。
 それに、実際問題、意識が戻ってからも、しばらくは安静にしていた方がいい。
 少なくとも3時間。大事をとって6時間だ。」

美奈子は明らかに不服そうに答えた。
「え〜?じゃあ、しばらくはこっちの部屋?」
「ああ。それも香澄次第だがな。」
「香澄さん次第?」
「ああ。香澄がお前が意識を取り戻すまでここで見ていてくれるか。
 それとも、リビングへ戻って、麗子たちに全てを話してしまうか、だ。」
「そっか。お母様とお姉様、もう少し時間、かかりそうなんだね?」
「ああ。ただ、ここまでやって、もしも中途半端に終わると、
 それは決定的なことにつながるかもしれないぞ。」
「そうだよね。きっちりやって、わだかまりを完全に無くさないと……。」
「ああ。そのためにも、香澄には美奈子から話せ。 
 じゃあ、オレはリビングに戻るぞ。」

スライドドアに手をかけた田辺に美奈子が言った。
「ねえ、今から3人がかり?」
「そうだな。2対2じゃ、圧倒的に男が不利だ。
 本当なら4人がかり5人がかりでいきたいところだからな。」
「あ、そんなに凄いんだ。お母様とお姉様。」
「いろいろあり過ぎて、リミッターが外れているからな。
 お前が2回も死にかけて、二人とも異常なくらい神経が高ぶってる。」
「その反動がセックスに現れるってことね?」
「ああ。本能的なものだろうな。じゃあ、行くぞ。」
「頑張ってね。終わったら、美奈子にもたっぷり頂戴ね。」
「6時間後まで残ってたらな。」

田辺はそう笑って、そうっと和室を出て行った。

「さてと……。」
美奈子は香澄に向き合って、正座した。
「どこから話せばいいかな……。」
「そうね。おおよそのことはわかってるような気もするわ。」
香澄は下を向いたまま少し微笑みながら言った。

「そうなの?」
「ええ。わたしも気を失ったふりをして、ずいぶんみんなの様子を見ていたし、
 話し声も喘ぎ声も、叫び声も、よく聞こえたもの。」
「確かに、あの喘ぎ声や叫び声じゃ、おちおち寝てはいられないものね。」
美奈子はそう言って、初めて笑顔になった。


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