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任務中なのに〜アパート張り込み編〜
【レイプ 官能小説】

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方言-3

その若者の入ったマンションは、かなり怪しかった。数日の張り込みでも人の出入りは多く、15人位大体同じ顔ぶれが朝9時過ぎから夜7時位まで入ったままだ。

カーテンは開けられる事も無く、閉まったまま。マンションの管理会社に聞くと3ヶ月前から個人が借りているらしいが、ドアに簡単な会社名らしき表札が付いているとの事。

会社名は〈サンダーボルト〉で、管理会社が法人が借りるのは禁止では無いが最初に届けて貰う規則だと説明すると契約者の若い男が管理会社に来て説明したと言う。

若い男は最初に会社として届けなかった事を詫び自分は、大学生で友達と趣味の延長上でウェブサイトを作る会社を立ち上げたのだと話したらしい。

その契約者の若者は、人の出入りは多いかも知れないが周りに迷惑を掛ける事は無いからと言ったとの事。実際、周りの部屋からの苦情は無く。管理組合の会合にも契約者が来るらしい。悠子は、

【詐欺グループのアジトの場合、部屋の中に防音対策をして電話などをかける。騒音の苦情は無い場合が多い。】

と思いながらも、断定するにはもっと情報を集めなればならない。捜査官達を増員してマンションに集まる人達を詳しく調べ始めた。

その結果、そのマンションに集まる人達は、学生では無く、自分の部屋とそのマンションのみを行き来していると判った。結構な割合で、借金がある者が大半だった。

この頃になって来ると、悠子も他の捜査官達もそのマンションが詐欺グループのアジトだと予想が付いた。悠子は、

【坂上さんの予想は、当たった。謝らないといけないかも。】

と期待して無かっただけに予想外の成果に喜ぶ。悠子は捜査官達に、

『あのマンションから出来れば、詐欺グループの中枢に繋がる物を得たい。』
『あのマンションから出入りする者の行動を徹底的に追いましょう。』

と発破を掛ける。捜査官達も一斉に返事して同意の意志を示す。しかし、2週間近く経っても更なる詐欺グループの繋がりは確認出来無い。

詐欺グループはアジトを固定しない。あのマンションも退去の可能性がある為、マンションの詐欺グループメンバーだけでも逮捕•摘発するべきとの捜査官達の意見も出て来た。悠子は、

『やはり、分業化されていて横同士の繋がりは無い可能性もあるわね。』
『あのマンションの動きと詐欺グループメンバーの動きを注意深く観察しながら、後一週間だけ様子を見ましょう。』
『一週間後に、進展が無ければあのマンションを摘発する。』

と捜査官達に告げる。

その三日後、詐欺グループメンバーの1番年上と見られる30代の男が自宅以外の古いアパートの部屋に行ったとの報告が上がる。

そのアパートの部屋も監視対象となったが頻繁な人の出入りは確認されていない。詐欺グループが集まり活動するアジトでは無い様だ。

その古いアパートの部屋に出入りした別の20代後半の男を尾行した所、多数の若い男達が出入りする別のマンションを発見。

そのマンションも監視対象となり、頻繁に出入りする者達の調査などから詐欺グループのアジトだと判断出来た。悠子は、

『ラッキーだわ。普通、アジト同士のメンバーは交流させない。』
『これを機に、この詐欺グループの全容解明摘発までこぎ着けましょう。』

と久々の朗報に声が弾む。捜査官達も笑顔が見え、捜査が報われた喜びに捜査課が沸く。

そんな中、申し訳無さそうに手を挙げている捜査官がいる。別の詐欺グループのメンバーを見つけるきっかけとなった古いアパートの部屋を監視しているベテランの捜査官だ。悠子は、

『緒方さん、何か?』
『意見が有れば言って下さい。』

と悠子が信頼を寄せる捜査官に尋ねる。悠子を女で年下の主任だと侮る事も無く、指示も忠実に従ってくれるこの捜査官を悠子は頼りにしていた。

『今、例のアパートの部屋を監視するのに借りている部屋ですが、今週一杯までで退去して欲しいとの連絡が管理会社より有りました。』
『入居予定者から連絡が有り来週から入るとの事で。我々があのアパートに気付く2ヶ月以上前に決まっていたそうです。』

と緒方が澄まなそうに報告する。悠子は、

『他に監視出来る部屋は無いのかしら?』

と緒方に聞く。緒方は、

『周りの部屋に空きが有りません。』
『今、張り込み用に借りていた部屋だけ空いていました。』

と目を伏せ答える。悠子は、

『うーん、参ったわね。』

と思わず唸る。問題のアパートの部屋は、詐欺グループメンバーが多数集まって活動する類の拠点では無い。詐欺グループでどのような位置付けの場所なのか判らない。アパートの管理会社によれば、30才の男の1人暮らしだと言う。

だが詐欺グループ間のメンバーが頻繁では無いとは言え交流していると思われるアジトに間違い無い。今では重要な監視対象だった。

一度道路から見ただけだが、二階建ての同じ作りのアパートが二棟並行に建っている。一軒目のアパートが道路に面して、側面(横側)を見せる様に立ち、二軒目のアパートがその奥にある。

アパートの正面から左に出入り口が有り、ゴミ置き場、駐輪場が出入り口通路に沿って並んでいる。アパート間の間隔も5mも無いとの報告で、アパート全体の敷地を1m位の塀が囲んでいる。

詐欺グループのアジトの部屋は、奥の二棟目のアパートの出入り口から1番離れた端にある。

アジトの部屋に来る人物を確認するには、アパートの敷地内からでないと無理であり、怪しまれず監視するにはアパートの部屋に張り込むしか無い。


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