決意-1
相沢優子29歳の12月。街はクリスマスイルミネーションがあちこちできらびやかに輝き、街行く恋人たちはきれいに包装された紙袋を嬉しそうに持っている。
優子も3年越しの付き合いになる拓郎とクリスマスディナーを楽しんだ後、その余韻を残す中で、思い切って打ち明けた。
『私たちは結婚できない。私にはまだやりたいことがある』拓郎は驚きを隠せない。
このクリスマスイルミネーションの下で、今日こそプロポーズを考えていた。
優子は典型的なスポーツ少女で身長は155cmの小柄ながら小ぶりながらツンと上を向いたバストとくびれたウエスト。年中日焼けで褐色の肌は若々しく、20代前半にしか見えない健康女子である。
拓郎は優子とは毎年長野のペンションをい借りてスキ−を楽しんでいた。来年の春先に
長野の教会で結婚式を挙げるつもりであった。
しかし、優子の答えは、『来春より、大学生になる。』『体育教師になりたい』
優子が選んだのは瀬戸内海の小さな島にある全寮制のY女子体育大学である。
Y女子体育大学は1学年120名を定員とし4年生までが全寮制である。教員になるのは狭き門と言われているがY女子体育大学は100％の就職内定率を誇っている。
優子は商社で培ったキャリアを捨て、拓郎との別れも決意し、自分の夢に向かって力強く決意した。