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MatchingDIVE
【SF 官能小説】

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オフィスコミュニティ-8

「この景色って50年以上前の
ものなんでしょ?

何だか不思議な気持ち……

……50年前に義人とリアルで
食事したかったな……」

「え?なんか言った?」

「ううん……なんかリアルに
お腹空いちゃったね?」

「そうだな、もうお昼か…」

「義人!一回お昼食べてから
またココに戻ってこようよ♪

一時間後ね!

午後からも
大切なお買い物があるから!
ちゃんと付き合ってよね!」

そう言ってログアウトせず
二人のアバターは動かなくなる。

義人は食事をしながら
ミサの姿がよみがえっていた。

ミサの髪、笑顔、えくぼ、声
楽しそうにしながらも
どこか淋しげな雰囲気が
カノンの発言や行動に
重ねさせられていた。

「もう……会えないのかな……」

「何か言った?」

「あっ!ううん
何でもないよ、母さん…」

食事を済ませレストランに戻ると
既にカノンは戻っていて
東京の景色を眺めていた。

「あっ!?お帰り♪義人」

「ゴメン!待たせた?」

「ううん…待ってないよ!

それに、こんな景色が見れて
時間なんてすぐ経っちゃうから……」

淋しげな表情をする。

「よし!午後からは何を見るんだ?」

「そうね…水着!
水着を見に行きたい!」

「えー!?水着って
ハワイは来年の話しだろ?」

「いいの!
今年の夏用なんだから!
いこっ!義人!」

カノンに連れられて
水着ショップに来る。

ショップデータを開くと
そこにショップ店員が近づいてくる。

「何か気に入ったものは
ありましたか?」

「う〜ん…
今度ハワイトラベルに
行くんですけど〜

どんなのが良いかなって
見に来たんですけど……」

「今年の夏って言ってただろ?」

義人が小さな声でぼやく。

「そうですね
ハワイでしたら
ちょっと大胆な物でも
全然違和感ありませんよ……

こんなのとか、こんなのとか……」

「えー!?
ちょっと派手すぎじゃないですか?」

「ハワイでしたら
皆さん解放感を味わいたい方が
多いので

このくらいでも控えめな方ですよ。
逆に地味目の水着の方が
目立ってしまうくらいですね……

これなんか
彼氏さんも気に入って
貰えるんでは無いでしょうか?」

「ねぇえ?義人〜こんなのどう?」

「気持ち悪い言い方するなよ!
っておい!それって!
お尻半分出ているじゃないか?

きわどい……」

「あら〜
義人はこんなエッチなのが
良いんだ〜?」

「別に良いって訳じゃ……」

義人は恥ずかしくなって
目をそらす。

「これにしよっと
え〜っとサイズはっと……
Eの65………Eの65……」

「カノンお前!?Eって!?」

「ヘヘーン!意外と私
ボンッ!キュッ!ボンッ!
なのよ♡」

「アバターにサイズは関係無いだろ?」

「あら?わたし
リアルでも凄いのよ〜
一度会ってみる〜?」

「バ、バカ…変なこと言うなよ……」

モジモジしている義人を尻目に
カノンは水着を試着してみる。

「どうぉ?義人〜似合ってる〜?」

「あ、ああ…似合ってるよ…」

「じゃあコレ!頂きますね♪
それと…下着も買おうかな〜?」

「え!?
下着は今日じゃなくていいだろ?」

「もう面倒くさいから
一緒に買っちゃう!

それともな〜に?
オフィスで私がノーパン
ノーブラの方が良いわけ〜?」

「分かったよ!
外で待ってるから…
早くしてくれよ………」

カノンは
しばらく下着の試着もしてから
買い物を済ませ出てきた。

「義人〜お待たせ〜
凄い下着も買っちゃった♪」

「アバターに
下着なんて意味無いだろ?」

「ううん!そんな事無いよ!
リアルでもアバターと
同じもの買ったから♪

なんなら
義人だけにリアルを
見せてあげよっか〜?」

「バ、バカ…変なこと言うなよ…」

ふと、ショピングモール内に
BGMが流れているのに気がつく。

「何だろう?初めて聴く曲だね?」

「本当だ、
なんだか聴き心地の良い声だな……」


ーBGMー

♪初めて出会った その時
嘘は必要ないと感じた

初めて素直になれたの
ありのままで居たい

そんなつもり無かったのに
気がつけばあなたを想う

こんな事初めてで
私の世界が変わる

ねぇ 覚えてる 手のぬくもり
そう 忘れない あなたの優しさ

ふとした時 瞳に不安が見えると
胸が苦しくなる
失う事は辛いけど
あなたの優しさがあるから

stay with you
もう叶わないのだから
優しさに甘えて居たい
stay with me
もう時が無いのだから
この時を祝福するよ

希があるのなら 想い続ける
君の笑顔が夢にあるかぎり
その願う気持ちに
シオンの花を贈るよ♪


「なんだか不思議な気持ち……
悲しいのか…嬉しいのか……」


その後
義人はカノンに連れ回され
ウィンドウショッピングをして
二人の時間はあっと言う間に
過ぎていく。

「義人〜
なんだか喉が渇いちゃった…
喫茶店に入ろう?」

二人は喫茶店に入り
リアルでそれぞれ飲み物を
用意してから
向かい合い座る。


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