バースコンチュロー-3
呼吸が整うまで一つの塊みたいにくっ付いていた二人は
やがて離れて二つに戻った。
母ちゃんの股の間から白い水が止めどなく流れ落ちる。
「ふい〜出た出た。体の相性良いからか凄い量でるな」
「はぁぁ、本当ね。濃くて多い」
「ちゃんと対策してるんだよな?万が一の事があっても知らねーぞ」
「はいはい、今日だってちゃんと飲んであるわよ」
「よーし、それなら!」
「きゃ!」
男の人が立ち上がり、母ちゃんの両足首を持ち上げ逆立ちのポーズにさせて
ベッドの上でゆっくりと左右に振りはじめた。
「奥まで届けお前たち!隠れてる卵に突っ込め」
「ちょ、クスッ。そんな事しても対策してあるんだから届きませんよーだ」
「おら、出来ちゃえ出来ちゃえ」
「残念でしたー。受精なんてしてあげませーん。ちょっとぉ、もう下ろしてよ!」
話の内容は意味がよく分からなかったが
二人ともクスクス笑ってるところを見ると
何かの冗談を言い合っているんだろう。
衝撃的な場面を目撃して胸のドキドキが止まらなくなった俺は
取りあえず家の外に出てまた公園の方向へと歩きながら
さっき見た母ちゃんが普段より可愛い事に気が付いた。
いつもは父ちゃんと俺の前で奥さんらしく母親らしく振舞っているけど
まだまだ若い母ちゃんは愛しの彼氏の前では
あんなに明るくてキュートな喋り方をするのだ。
俺は母ちゃんが可愛くなったのを見て少しだけ嬉しい気持ちになった。
ただ二人の会話の中で母ちゃんが何かの対策に飲んだというものが
俺がすり替えたラムネのことである気がして今更ながら
やらかした事への罪悪感と予測できない今後への不安に押し潰されそうになった。
(でもまぁ、ちょっと困る程度の事だよな)
俺は不安を紛らわせるために
さっき母ちゃんが彼氏に逆さ吊りにされ
左右に揺さぶられていた場面を思い出し
その滑稽さに心の中で小さく吹き出すのであった。