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アイドリング2ndシーズン
【フェチ/マニア 官能小説】

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アイドリング2ndシーズン-12

チャプター12



 濃紺のビジネススーツをしぜんに着こなした紳士に、友里はあらたまって告げる。

「お客さま。いいえ、西山さん。どうかあたしの未来を……」

 と、言いかけた時、店の出入り口に設置した防犯アラームが異常を検知し、けたたましく鳴り響いた。

「あっ、あの人!」

 いち早く指を差した友里の視線の先に、いかにも怪しい風貌の男がこちらに背中を向けて立っている。異様にふくらんだリュックサックが疑ってくれと言わんばかりだ。

「お客さま。失礼ですが、そのリュックサックの中身を拝見させていただいてもよろしいですか?」

 たまたま近くにいた藤崎が男に話しかけている。万引き犯を捕まえるためには連携プレーが必須なのだ。

「何だよう。俺は何もやってねえよ。機械の故障じゃねえのか」

「万が一ということがあります。ちょっと事務所まで来てもらえますか?」

「しょうがねえな、わかったよ。でも男のスタッフじゃ駄目だ。そこにいるお姉ちゃんと交代しろ」

 男に指名された友里は、「あたし?」と言って自分の鼻を指差した。あまり気は進まないが、男の機嫌を取るためには仕方がない。

「早くしろっ!」

 男の怒号が飛び、友里はあわててレジカウンターから飛び出すと、藤崎と入れ替わりで男の腕を掴む。後は事務所で所持品を確認し、場合によっては警察に引き渡して一件落着だ。

 しかし、甘かった。逆に腕をねじり上げられた友里は抵抗する間もなく羽交い締めにされ、男の人質になってしまう。

「きゃっ、助けて!」

「うるさい、痛い目に遭いたいのか!」

 男はサバイバルナイフを取り出し、その鋭い刃先を友里の喉元に向けた。どこからともなく悲鳴が上がり、棚のゲームソフトやDVDの一部が床に雪崩れ落ちる。

 みるみるうちに潤んでいく友里の瞳に翳りがあらわれた時、サバイバルナイフが友里のエプロンを断ち切り、シャツを裂いて、ブラジャーを露わにさせた。

「ほお、エロい体してやがる」

「やめて……」

 懇願する友里にかまわず、男はブラジャーのフロント部分をぷつんと切り、こぼれ落ちた乳房を揉みしだきながら友里の下半身にも手を這わせていく。

 友里は今日もミニスカートだ。その中に男の手が入ってきて、もぞもぞと動き回り、友里の反応を楽しむようにショーツを引きずり下ろす。

「そこは許して……」

 友里は脚を閉じようとするが、凶器が怖くてそれも出来ない。気がつけば男の指を膣に飲み込み、ぐちゃぐちゃと掻き回されてあえぎ声を漏らし始めていた。

 みんなが見ている目の前で友里は派手に潮を吹き、調子に乗った男がズボンを下ろしてぺニスを放り出すと、果たして事態は急変する。

「この、変態!」

 そう叫びながら友里は男の股間を思い切り蹴り上げた。見事、蹴りは男の陰嚢に命中した。

「うっ……」

 男は両手で自分の股間を押さえ、膝から崩れ落ちると、口から泡を吹きながら床に突っ伏してしまう。どうやら気絶したらしい。

「少しは懲りた?」

 友里は破れたエプロンを腰に巻き、くたばっている男の背中を見下ろした。

 男のリュックサックからは、レジを通していないDVDソフトが大量に出てきたが、バタフライナイフは偽物だった。最初から友里を傷つけるつもりはなかったらしい。

 男は藤崎に引きずられ、そのまま事務所に連れて行かれた。失禁した跡がフロアのあちこちに残っていた。

 


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