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捜査中に触られて〜電車編〜
【痴漢/痴女 官能小説】

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"先生"-1

録音した通話内容は、

『山奥。』
『埋めた。』
『記者。』

などと言葉が飛び交い、優男は相手を

『先生!』

と呼んでいた。咲良は、優男と話す事にした。大男の司法取引の事を話し、

『彼は、あなたも罪を軽くしてくれと言っている。』

と言うと、

『余計な事を言いやがって!』

優男は、怒鳴り激昂する。咲良は、

『でも、他の逮捕された幹部達が話せば司法取引は出来なくなるわよ。』
『犯した罪によるけど、協力すれば減刑の可能性がある。』

と説得する。優男は、黙り込む。咲良は、

『スマホの録音、自分を守る為に録ったのよね?』
『それだけ、危険な相手って事だわ。』
『刑務所でも危ない目に遭うかも知れない。』

と言う。咲良は、優男の目を見ながら

『協力すれば、服役するにしても身の安全に配慮出来る。』

と協力を促す。優男は、おもむろに口を開く

『判った、取引する。』

と言い、自分と大男の身の安全を要求した。咲良は了承する。優男は、"先生"は、現職の国会議員で大臣で有り、スマホの録音は先生に頼まれ記者の遺体を埋めた時の物だと語った。

先生は、記者が死んでいて余計な疑いを持たれ無い為に遺体を埋めて欲しいと言ったらしい。だが優男は信じず、先生か先生が頼んだ誰かが記者を殺したと思ったらしい。咲良は、

『あのビルで捜査官達を銃撃させたのは陽動作戦で自分達がビルに入るのを隠す為か?』

と聞くと優男は、

『あいつらは、俺達と関係ない。』
『愛梨と俺の電話を盗み聞きしたやつが"先生"にチクり、命知らずの連中を"先生"が寄越したんだろう。』

と言った。咲良は、スマホの録音から遺体遺棄だと予想していたし、大男の話しから国会議員が絡んでいると思っていた。しかし、優男が言った先生の名前にショックを受けた。

国家公安委員長も努めた事もある司法機関出身の大物国会議員だったからだ。スマホの録音の音声を声紋分析にかけ、かなり高い確率で国会議員本人だと判定された。咲良は、その結果待って課長に報告する。

課長も驚愕し、咲良を連れ部長に報告した。報告した翌日、重大案件扱いになり部長管理の捜査体勢になり複数の捜査チームが加わっての大掛かりな物になった。咲良のチームも最も事情に通じていると言う事で、当然加わる。

部下の中には事件を取り上げられたと不満を漏らす者もいたが、咲良は自分達の捜査がこの件を明るみに出したのだと慰める。咲良は、毎日忙しい日々を過ごしていた。捜査官の数も多く、部長指名の若手の課長が指揮を取っている事もあり、咲良への負担はそこまで多くは無かった。

自宅にも案外はやく帰る事が出来る。ビルの事件から、3週間が経とうとしていた。咲良は、桜井の事が気になっていた。

【連絡が無い。】
【足を引き摺っていた、治るのに長引いているのか?】

と桜井を心配する。事件の捜査は、記者殺害を幹部の1人が自供し"先生"の依頼からだと認めた。何と犯罪組織設立の中心メンバーが"先生"だったのだ。

その殺された記者は、三流ゴシップ誌の評判の悪い記者で裏稼業の者達と親しく、"先生"の事を知り脅して金を要求したらしい。"先生"は逮捕され、メディアを賑わかす。

咲良は、相変わらずそれなりに忙しくしていた。桜井から一月以上連絡が無い。心配になり、自分から再三電話するが出ない。咲良は、桜井に会いたくて堪らない自分に気付いていた。

最近は夫の方が咲良より忙しく午前様だ、今夜も遅いらしい。子供を預けていた義父母の家に行くと、断わり切れず晩御飯までご馳走になる。家に帰り、子供とお風呂に入った。最近は、子供と過ごせる時間が増えて嬉しい。子供も喜んでくれる。

咲良は子供を寝かせ、遅く帰る夫の為に夜食を作っていた。ふとスマホを見ると着信が入っていた、画面見ると〈桜井太郎〉と出ている。慌てて、ガスコンロの火を止め、隣の部屋に行きドアを閉めると桜井に掛け直す。桜井は、ワンコールで出た

『話しが有る。』

といきなり言う。 咲良は、

【相変わらずね。】

と思いながら、

『どうぞ!』
『足は、大丈夫なの?』

と返す。桜井は、

『足は、大丈夫だ。治った。』
『もう、会わない!』

と言う。咲良は、

『えっ?』
『もう一度、お願い。』

と聞く。桜井は、

『あんたとは、もう会う事は無い。』
『だから、あんたに連絡する事も今後は無い。』

と言う。咲良は、少しパニックになりながら

『どうして?何故なの?』

と慌てて聞く。桜井は、

『俺が会いたいと思わなくなったからだ。』
『そういう約束だった筈だ。』

と返す。咲良は、

『私に飽きたの?』

と聞く。桜井は、

『そういう訳じゃないが。』
『安心しろ、例の動画は消した。』

と話す。咲良は、

『動画の事なんて気にしてないわ!』
『ちゃんと理由を教えて!』

と怒りながら聞く。桜井は、

『もう電話して来るな。』
『この番号は、もうすぐ繋がらなくなる。』

と言うと電話を切った。咲良は、電話を掛け直すがいくら待っても桜井は出なかった。咲良は、呆然と床に座り込んだ。いつの間にか、頬を流れる涙に気付くと手で拭った。そして、両手で顔を覆い泣き出す。


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