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捜査中に触られて〜電車編〜
【痴漢/痴女 官能小説】

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救援-1

優男は、

『元カノ?別れたつもりは無いが。』
『こいつが裏切ってアンタらにチクったりしなけりゃ、これから死ぬ事も無かったさ!』

と言うと愛梨が、

『アンタがあんなロクでも無い組織に入らなきゃこんな事にはならなかった。』
『巻き添えくらう前にやるべき事をやったまでよ!』

と反論する。優男は、

『人のスマホから盗み取りまでしやがって!』
『お前が死ぬのは、そのせいだ。』

と言うと、咲良を見て

『グズグズしてると、こいつの仲間が来るぞ!』
『さっさとやれ!2人共な!』

と大男に命令する。大男は、頷きながら拳銃を構え直すと咲良に向ける。咲良は、撃たれるのを覚悟した。

【もう、駄目かも。】

恐怖と諦めの気持ちが湧き上がり、夫や子供の顔が思い出される。そして、桜井の顔も。 大男の指が引き金を引こうとしているのを、咲良は凝視していた。その時、

『ダッ!』
『ダッ!』
『ダッ!』

と走って来る足音がしたかと思うと、優男がタックルされ吹っ飛ばされる。ギョッとして大男が振り返ると走って来た人物が、大男の拳銃を持つ腕を持ち上げ拳銃を取り上げようとする。

咲良は、走ってきた人物を見てビックリする、桜井だった。桜井と大男は、両腕を上げ拳銃の取り合いをしている。大男が、膝を桜井の腹に入れ桜井が体を折るがその体勢のまま壁に大男をぶつけて行く。

その桜井の背中に立ち上がった優男が拳銃を向ける、咲良は優男の腕を蹴り上げた。優男の拳銃は、廊下を転がっていく。桜井と大男は、もみ合っていたが桜井が頭突きを喰らわせる。大男は、

『この野郎!』

と言いながら桜井を振りほどこうと、桜井に腕を掴まれたまま振り回すが桜井は、腕を離さない。振り回された勢いで、2人がもみ合ったまま階段に落ち、転がって行った。そのまま勢い良く壁にぶつかる。優男は、

『このアマ!』

と言うと咲良を殴ろうとしたが、咲良は何とかかわすとタックルして優男を壁に押し付ける。優男は、咲良を突き飛ばし転がす。優男は、立ち上がり咲良に近づき殴ろうと腕を振り上げた時、

『ガツ!』

と音がし優男は、

『痛え!』

と言いながら顔を押さえる。優男の足元に拳銃が落ちている、顔に拳銃が当たった様だった。階段を見ると下の踊り場で、大男がうつ伏せで動かない。階段を転がり落ち壁にぶつかった衝撃で、大男は伸びている様だった。

どうやら、桜井が拳銃を投げ優男にぶつけた様だ。桜井は、階段を駆け上がり優男を思いっきり殴ると、優男は気を失い廊下に崩れ落ちた。桜井は、

『咲良、このデカイのに手錠をしろ!』

と大男を指差す。咲良が言われた様に大男に手錠をした。桜井は、どこからか持って来た梱包用のヒモで優男を縛っている。咲良は、

『危ないわね。撃たれるとこだったのよ。』
『何故、ここに?』

と桜井に言う。桜井は、

『自分の女、守るのは当然だろう。』

と当たり前の様に言う。愛梨が、

『カッコイイ!』

と冷やかす。桜井は笑い。咲良は、困った様な顔になった。咲良は、優男の上着から自分の拳銃を取り戻してホルスターに収める。咲良は、桜井を見て

『でもどこから入って来たの?』

と聞くと桜井は、

『隣のビルからこのビルの屋上に行けるんだ。』

と言い、

『こいつらも隣のビルから入ったんだろう。』

と教えてくれた。咲良は、階段から廊下に上がると横たわる捜査官の方に向かう。桜井は去ろうとしており、足を引き摺っている。咲良は、

『今から救急隊を呼ぶわ、あなたも見て貰えば?』

と言う。桜井は、

『俺は、結構だ。』

と言い去って行く。咲良は、インカムと無線機両方をオンにすると

『捜査官負傷!繰り返す、捜査官負傷!』
『救急隊至急、4階階段付近の廊下へ!』
『4階の階段付近の廊下に救急隊を!』
『捜査官へ応援要請!、同じ4階階段付近に被疑者2名拘束!』
『捜査官は、4階階段付近へ!』

連絡が終わると廊下を見たが桜井の姿は、無かった。部下の捜査官達や特殊急襲部隊が慌てて駆け付ける。被疑者を改めて拘束し連行する。間もなく救急隊も到着し、負傷した捜査官を運び出す。

救急車に付き添いで乗る捜査官に、容態の変化や医師の診断結果を連絡する様に頼む。無線機で負傷した捜査官の家族に救急車の行き先を伝える様に要請する。

咲良がビルを出ると、規則によりビルへの立ち入りを許され無かった夫が

『咲良!』

と呼びながら駆けて来る。夫は、咲良をハグしながら

『良かった!、本当に良かった!』

と人目も憚らず大声を出す。咲良は、

『あなた、みんな見てるわ。』

と言いながらも嬉しかった。咲良は、

『ごめんなさい、あなた。』
『未だ仕事が残っているの。』

と言い、愛梨を連れて車に向かう。夫は、

『そうだね。また後で!』

と言うと電話し始め、

『父さん?咲良は、大丈夫。』
『無事だった。』

と言っている。咲良は、

【お義父さんもこの事知っているのね。心配掛けたわ。】

と申し訳無い思いだった。横の愛梨が小声で、

『旦那さん?』

と聞いてくる。咲良が頷くと、

『あなたは、私を命懸けで庇ってくれたわ。』
『ビルで見た彼氏の事は、絶対誰にも言わない!』

と小声のまま約束した。咲良は、

『ありがとう!』

と笑った。


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