男たちの餌食-1
「ちょっと待って。」
香澄は田辺たちに向かって怒鳴った。
「ん?何だ、どうしたってんだ。」
ワインを口に運んでいた田辺が真っ先に香澄の声に反応した。
大輔はようやくこじ開けたラップの隙間を大きく広げ、
そこからのぞいた紗理奈のオマ〇コに、
なんとかして自分のペニスを挿入しようとしているたところだった。
田辺の声など全く耳に入らない様子で、夢中になって腰を突き出していた。
もう一人の礼二は、相変わらず麗子のバックから腰を振り続けていた。
さっきまでと違っていたのは、
礼二の指が2本、揃えられた状態でアナルに突き刺さり、
腰の動きに合わせて出し入れしていることだった。
「まったく。あいつら目の前のご馳走に夢中のようだ。仕方ない。」
田辺はようやく香澄を真正面から見た。
「なんの用だ。お前も相手にして欲しくなったのか?」
香澄は紗理奈のスマフォを田辺の目の前に突き出した。
「これで、あなたたちがやっていることを全部撮影してあげるわ。
警察に見せれば、あなたたち全員、刑務所行きよ。」
「スマフォ?どうしてそれを?そうか、紗理奈のか。
なるほど、そのスマフォで全部撮影する、か。」
「そうよ。そしてこのデータを全部警察に見せるわ。
あなた方のやったことは全部白日の下に晒される。」
「そういうことになるな。で?どうしろと言うんだ?」
「今すぐに、こんなバカげたことはやめてちょうだい。
それから麗子と紗理奈さん、美奈子さんも、すぐに自由にしなさい。
そして今すぐこの家から出て行ってちょうだい。」
息まく香澄を見て薄笑いを浮かべながら、田辺は悠然と言った。
「香澄さん?もしかして、オレに命令してるのかい?」
「そ、そうよ。でないと、警察に……。」
「撮影したデータを警察に渡すかどうかは別にして、
撮影をするっていうことには気づかなかったなあ。
ありがとうよ、香澄さん。そう言えばそうだった。
せっかくのレイプ現場だ。映像が残っていないのは残念だ。
いや、よく気づいてくれた。おい、礼二。大輔。おい、聞こえてるのか?」
田辺は麗子と紗理奈に夢中の二人に声をかけた。
「あ、は、はい。」
「す、すみません。」
「お前たち、スマフォは持っているか?」
「あ、はい、」
「はい、持ってます。」
「じゃあすぐに持ってこい。撮影開始だ。」
「は?」
「お前たちのレイプシーンをしっかりと撮影しておくんだよ。
あとで征爾に見せてやれば、あいつも喜ぶぞ。
そうだ、誰だかよくわかるように、顔のアップも忘れるな。」
礼二と大輔は襲いかけた女の身体を名残り惜しそうに見ながら、
脱ぎ捨てた服のところへ走った。
「ちょ、ちょっと、な、なんてことを……。」
「いや、香澄さん。本当に、素晴らしいアドバイスだ。
危うく手遅れになるところだった。
いや、本当にありがとう。
じゃあ、この紗理奈のスマフォには、あんたがこれからオレに犯される場面を、
ばっちり記録させてもらうか。」
田辺の手が香澄の持ったスマフォに伸びてきた。
香澄はそれをかわそうとしたがあっさり手首を握られ、スマフォは床に落ちた。
「しかし、スマフォで撮影とは気が付かなかったなあ。
オレは昔の人間だからな。
こうした秘め事は人様には見せるもんじゃないと思っていた。
特にレイプシーンなんて、人に見られたらまずいことだからな。
だが、自分で見返したり相手を脅す手段としたら最高だ。
香澄さんは普段からこういう場面での撮影には慣れているのかな?」
田辺はスマフォを手にするとカメラのレンズを香澄に向けながら迫ってきた。
「な、なにを馬鹿なことを言ってるのよ。ちょっとやめてよ。撮らないでよ。」
「いや、実はな。スマフォとかの扱いにはなれてなくてな。
香澄、これを撮影できるようにセットするんだ。」
「な、何を言ってるの?あなた、馬鹿じゃないの?」
「口の利き方に気を付けろ。
この家の人間もそうだが、どうも偉そうな口の利き方をするやつが多いようだ。
自分がどういう立場に置かれているかがわかっていないようだな。
早く撮影できるようにセットするんだ。
さもないと、お前だけ映像が残らないってことになるぞ。」
田辺は意味ありげに笑った。
「わたしだけ映像が残らない?どういう意味?」
「どうもこうもない、そういうことだ。
麗子がレイプされている映像はある、
紗理奈の映像も残されている、
そして美奈子に至ってはオナニーシーンまで残されている。
それだけってことだ。」
「……。」
「データを見つけ、映像を見たやつはどう思う?
ああ、ここでレイプされたのはこの3人か。他に被害者はいないのだな……。
どうだ?当然そう考えるだろう?」
「……。」
香澄の顔が見る見るうちに恐怖で引きつっていった。
「わかったかい?香澄。
映像が残っていないってことは、ここにはいなかったということになるんだ。
香澄。君は、今日、ここには来ていない。だからレイプされるはずもない。
征爾君はどう思うだろうねぇ。
確か、君がこの家に来るってことは、征爾君も知っていたんだよねえ。
あ、そうそう。話によると、君の旦那も、
君がこの家に来ることを知っているらしいじゃないか。
でも、君の映像は残っていない。
しかし、この家の女たち3人が消えたのと同じように、
生野香澄という女性も、姿を消した……。
ちょっとしたミステリーだと思わないかい?」
「わ、わたしたちに、何をしようと言うの?」