男たちの餌食-2
「わたしたち?その言い方もおかしいなぁ。
さっきも言ったが、君は予定に入っていないんだよ。香澄さん。
この家に女たち3人についての計画なら決まっているがな。
まずはレイプだ。それは、もうすでに始まっているし、一部は終わってもいる。
もちろん、まだまだ続くがね。
そしてその後どうするかは征爾君の返事次第っていうところかな。」
田辺の言葉に混乱しながらも、香澄はまだ強気のまま田辺に問いかけた。
「征爾さんには……。征爾さんは知っているの?こんなことになっていることを。」
「さあ。あんたはどうだと思う?
オレたちがこのことを征爾に伝えているか伝えていないか。」
「そ、そんなこと、わたしがわかるわけないでしょ。」
「まったく。口の利き方も知らない気の強いおばさんだ。」
田辺はスマフォを一度棚の上に置くと、香澄の頬を叩いた。
香澄の顔が再び恐怖でひきつった。
香澄が何を聞いても何らかの答えを返してくる田辺に対して、
香澄はどこか甘く見始めていたのだ。
もしかしたら説得できるかもしれない。
そんな考えも頭をかすめるようになっていた。
しかしそれが甘かったことを田辺の平手打ちは語っていた。
「わ、わたしを、どうするつもり?」
「さっきも言っただろ?あんたが来ることはオレたちの計画に入っていなかった。
だからどうしようかはこれから決めるのさ。
それまでは大人しく、オレたちの邪魔をしないでいるんだな。」
「ねえ、悪いことは言わないわ。このまま、もう、この家を出て行って。
あなた方のことは誰に言わない。
麗子たちにも、誰にも言わないようにわたしが説得するから。」
「あんたが説得する?誰にも言わないように?
あんたがお願いすれば麗子たちが言うことを聞くっていうのか?
レイプされた女が、あっさり説得されて、オレたちを許すって言うのか?」
田辺の語気が次第に強くなってくる。
香澄はその勢いに押され、後ずさりした。
「だ、だから、わたしが必ず説得するわ。だから、もう帰ってちょうだい。」
「あんたはレイプされてない人間だから、そんなことが言えるだろうな。
麗子にしても紗理奈にしても、美奈子にしたって、
オレたちのことを恨みまくっているはずだぜ。
当然、このことを知った征爾はオレたちを殺したいとさえ思うだろうよ。
それほどの恨みの残るオレたちの行為を、
あんたは、あいつらを説得して忘れさせることができるっていうのかい。
とことん、行くところまで行くしかねえんだよ。」
何を企んでいるのか、田辺は香澄を壁に追い詰めた。
そして怯えている香澄の顎に手をかけ、ゆっくりと上を向かせた。
「いいか、よく聞け。そしてグタグタいう前によく考えるんだ。
この家の女3人、全員がレイプされた。
ただ、この家にいながらまだ一人だけ、レイプされていない人物がいる。
一人だけな。」
その一人が香澄を指していることは明らかだった。
田辺は淡々と続けた。
だから、後になって発見されるレイプ映像データにはその女性は映っていない。
当たり前だ。なにしろレイプ映像だからな。
この意味が分かるだろ?」
「じゃあ、わたしは、いなかったことにされるってこと?」
「いやいや、残されたものがそういう判断をするだろう、ということだ。
証拠がなければそういうことになるだろう。
しかし、これだけの事実を見てしまったその女が、
そのまま無事に帰れると、香澄さんは思うかい?」
「わ、わたしを、どうするつもり?」
「簡単なことさ。考えれば答えは2つしかないだろう。
一つは、あんたの口を封じるために、いなかったものにされるか。
もう一つは、せめてレイプされたうちの一人として、映像には残るか。」
「いずれにしても、わたしたちを殺すつもりなの?」
「おいおい、恐ろしいこと、言うなよ。
オレたちは人殺しをするためにここに来たんじゃねえんだぜ。
この家の女たちをレイプして、征爾君を説得しようっていうだけのことさ。
まあ、レイプの最中に、
プレイの度が過ぎてしまうなんていうことが、
実際問題としてないわけじゃないだろうけどな。」
「……。」
「例えば、あの美奈子っていう女。
あいつは放っておけば死ぬまでオナリ続けるぞ。
バイブで我慢出来てるうちはまだいいが、
満足できなくなったらその辺にあるものを手あたり次第、
オマ〇コの中に入れちまうだろう。
まあ、その前に心臓が持たなくなることもあるかもしれねえがな。」
「そうやって殺すつもりなのね?」
「口の減らねえ野郎だな。
あのままにしておけばあの美奈子っていう女、
オレたちが手を下さなくても死んじまうって言っているだけさ。」
「美奈子ちゃんが、死ぬ?」
「ああ。まあ、まだすぐにっていうわけじゃねえ。
とにかく、そのスマフォを早く撮影状態にして、オレによこすんだ。」
田辺は再びスマフォを香澄に手渡した。
「……。」
香澄は仕方なく、画面をスクロールし、ビデオに切り替えた。
「ここ、この部分をタッチすれば、撮影開始になるわ。」
香澄は言われた通り、ビデオに切り替えたスマフォを渡そうとした。
「そう言えば、自撮り、とかいうのがあるんだろ?
香澄さん。まずはそれからスタートしようか。」
「な、何を言っているの?」
「まずは自己紹介からってことさ。自分を撮りながら名前くらい言えよ。
これから田辺さんたちにレイプされますってな。」
そう言いながら田辺は傍らからナイフを取り出し、香澄の顔の前にちらつかせた。