男たちの餌食-11
香澄は美奈子の太腿を抱えるようにして動かしながら、
ペニスが当たる位置を変えていった。
気のせいか、美奈子の反応が大きくなる場所がある。
一瞬、そこを捉えるのだが、香澄がさらに押し込もうとすると、
美奈子が微妙に身体を動かしてしまう。
(違うのかしら。この辺りじゃないのかしら。)
香澄に次第に焦りが生じ始めた。
美奈子は口から涎を垂れ流し、数分おきに訪れる絶頂に全身を震わせながら感じていた。その感覚は次第に短くなり、美奈子の意識も朧になってきた。
(征爾さん。力を貸して。)
香澄は祈るような気持ちで美奈子の身体を引き寄せた。
その時だった。
明らかに美奈子の反応が変わった。
(あった。今の場所。)
香澄は一度、美奈子の足を戻し、もう一度しっかりと抱えた。
(お願い。もう一度当たって……。)
「あ、あう、ああ、あう、うう、ううっ……。」
美奈子が身体全体を激しく痙攣させ、腰を上下にばたつかせ始めた。
さっきまでの絶頂とは明らかに違う、さらに大きな波だった。
「やったか?」
バックからアナルへの激しいピストン運動を加えたまま、
田辺が麗子の身体を後ろから押すようにして近づいてくる。
麗子は田辺の思いもよらない動きに慌てながらも、
アナルを通して全身を貫いていく快感にどうにか耐えていた。
「ええ。見つけたわ。多分、間違いない。」
「よし。とどめの一撃をより有効にするために、ギリギリまで刺激を与えるんだ。
香澄。そのままの状態で、ペニスを小刻みに動かせるか?」
「小刻みに?」
「そう。突くのでもなく、捻るのでもなく……。バイブレーターのように。」
「バイブみたいに振動させるの?」
「ああ。それで美奈子をギリギリまで追い詰めていくんだ。」
(小刻みに、バイブのように、くねらせるのでもなく、突くのでもない)
美奈子の身体が次第に大きく波打ち、
香澄のペニスバンドが外れそうになるほどのうねりとなった。
「よし、香澄。今だ。」
田辺の声に導かれて、香澄は思い切りとどめの一撃を繰り出した。
ペニスバンドはバンド部分が壊れたにもかかわらず、
香澄の膣の圧力はどうにかそれがすべて外れ落ちるのを防いでいた。
ペニスバンドのバンド部分は壊れ、
模造のペニスはあたかも香澄のオマ〇コに突き刺さっているだけの状態に見えた。
美奈子の内部が蠢き、香澄からペニスを奪おうとする。
美奈子の腰は香澄の肉壁が千切れそうになるほど大きくうねり、上下した。
美奈子は上体を起こし、香澄の乳房を掴みながら全身を震わせて悶えた。
乳房に食い込んだ詰めが香澄の皮膚を破き、香澄の胸に赤い一筋ができた。
美奈子の腰は激しく動き、美奈子の股間が香澄の股間を激しく打つ。
そして勢いよく引かれる美奈子の腰の動きに、
香澄のペニスは膣から引き抜かれそうになった。
それでも香澄は押し込んだペニスを美奈子の急所から外すまいと、
腰に力を入れ続けた。
やがて、美奈子の腰のうねりが頂点に達したかと思われた時、
美奈子の身体は硬直し、そのまま香澄の方に崩れ落ちた。
美奈子の呻き声と小さな痙攣が連続した後、美奈子の身体は動きを止めた。
(ま、まさか……。)
それは香澄だけではなく、麗子の、紗理奈の、
そしてそこに居合わせた大輔や礼二の、共通の思いだった。
田辺だけが違っていた。
田辺はピクリとも動かなくなった美奈子の身体に近づき、
しばらく様子を見た後に言った。
「助かったぞ。」
「助かったの?」
「ああ。」
「もう、大丈夫なの?」
「ああ。美奈子は今気絶している。その間は薬による反応は起こらない。
美奈子が目を覚ますころには薬の作用は消えている。
大丈夫だ。安心しろ。」
そんな緊急時でありながら、田辺の激しいピストン運動は続いていた。
美奈子が助かったと分かった瞬間、田辺は無意識のうちに激しく腰を動かしていた。
その動きはいきかかっていた麗子を一気に絶頂へと押し上げ、
田辺自身も何度目かの絶頂を迎えた。
「うっうっうっ、うぉ〜。」
叫びにも似た声をあげながら、田辺は麗子のアナルに勢いよく射精していた。
田辺の射精寸前に絶頂に達していた麗子は、
田辺のザーメンが直腸の壁に勢いよく当たる刺激で、
さらなる絶頂へと昇り詰めていった。
香澄もある種の放心状態にいた。
どうやら美奈子は助かったらしい。
美奈子の無意識下の動きによって、香澄の膣もかなりの衝撃を受けていた。
もちろんそのほとんどは快感を伴う、性的な刺激だったが、
模造のペニスを支えるという役目を担った膣壁は、
実際のところ、かなりの肉体的なダメージを受けていたのだ。
それでも、香澄には危機を乗り越えたという安堵感と、ある種の達成感があった。
美奈子の危機を救ったのは、女性としての自分だったのか、
それとも、男性を演じきった自分だったのか、
香澄自身はよくわからなかったが、
田辺の、目に浮かべながらの「助かったぞ。」という言葉に、
無条件に喜ぶ自分がいた。
(良かった。本当に良かった。)
香澄の全身から力が抜けていく。
股間に張り付くようにしていた征爾を模したペニスが音を立てて床に落ちた。
それを追いかけるように、香澄の粘り気を持った愛液が垂れ落ちていく。
香澄はその場に倒れ込んだ。
「香澄。ご苦労だったな。」
田辺の言葉に香澄は思わず涙ぐみそうになった。
暴漢だということを忘れて、抱き付いて喜びを分かち合いたいとさえ思った。
香澄は次第に意識が遠くなり、その場に倒れ込んだ。