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MatchingDIVE
【SF 官能小説】

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出逢い-1

西園寺義人(25)は
自宅の部屋で退屈な毎日を
過ごしていた。

父親は一流企業の社長を
しているのもあって
顔を合わせる度に小言を言われる。

「義人
お前もそろそろ仕事を始めないと
将来大変な思いをするぞ!」

父親の内心は
自分の会社に入って
後を継いでもらいたいと考えている。

「そうよ!お仕事して
お嫁さん貰わないと
お母さん心配だわ!」

母は早く孫の顔を見たくて
しょうがないようだ。

「そうだね………」

義人は反抗する訳でもなく
いつも通り言葉を濁す。

父親か明るい顔で義人に言う。

「そうか!?それは良い!
どうせなら父さんの会社に
来ると良い!
うちの会社の女子社員は
みんな美人だぞ!」

母親も続けて言う

「そうよ!
綺麗なお嫁さん見つけて
早く結婚しちゃいなさい!」

義人は迷惑そうな顔をして

「美人って言ったって
アバターでしょ?
別に結婚したい訳でもないし
そんなリスク御免だよ…」

確かに
結婚してネオコロナに感染し
家族全員が死亡すると言う
ニュースは毎日のように
報じられている。

父親が諭すように言う

「父さんの会社はな
感染予防のシステムが
しっかりしているんだ!
とりあえず、会社に来てみろよ!
大丈夫だから………」

義人は言葉を濁し
自分の部屋に逃げるように
ダイニングを立ち去る。

義人は
ため息をついて
バーチャルゴーグルを装着し
椅子に座る。

「いろいろ面倒くさいんだよな……」

義人は仲間に会うために作った
VRコミュニティルームに入る。

仮想空間の秘密の部屋
そこに仲の良いメンバーが
自由に集まれるようにしていた。

その部屋に入ると
メンバーのうちの二人が
会話をしていた。

「………………」
「…………」

「どうしたんだよ?
今日は二人だけ?」

「よお!ユキト!
ネットで騒がれている
政府が新しく導入するって言うMatchingDIVEの話をしていたんだ」

義人はバーチャル世界の中では
母親の旧姓「松雪」の雪の字を
使ってアバター名にしている。

「なんか究極の
マッチングシステムってヤツだろ?
知ってるよ
人口を増やすためのシステムだって…」

「そうなんだ!
そのシステムが全国の自治体で
導入される事が決まったんだよ!」

「マジかよ!?それって結局
風俗みたいなもんじゃ無かったのか?
導入なんて考えてもみなかった…」

「政府もこれ以上人口が減っては
おまんま食い下げだからな〜
もう尻に火がついてるんだろ?

バーチャルで妊娠するなんて
出来る訳無いよな!?
ユキトもそう思うだろ?

俺は危険を犯してでも
本物の女を抱いて子作りしたいぜ!」

「まぁ…
お前はバーチャル風俗があれば
結婚なんて要らないだろ!?」

「ちげぇねぇ〜」

みんなが笑う

「それはそうとして
俺の話も聞いてくれよ!」

義人は気だるそうに話し出す

「今日
親父に仕事しろって言われてさ
お袋は結婚しろってしつこいんだよ」

「それっていつもの事じゃないの?」

「そうなんだけど
今日ばかりは違ったんだ!
美人が多いから
会社に来てみろっとか
綺麗なお嫁さんもらえってさ……」

「へぇ〜!?
お前の親父さんって
何処で働いてるの?」

「え!?あっ………うん…
アプリ会社のエンジニア………」

「ふーん…
大きな会社なら
美人は多いかもな!?」

「そんな事無いよ!
小さな会社さ……」

義人は必死に素性を隠す

「しかし、まぁ〜
なんて言うか、その話し
カノンにはするなよ!」

「どうして?」

「だってお前よ〜
だから、その……
何でも良いからカノンだけには
今の話しはするな!分かったな?」

「ああ、分かった……」

(本当にユキトのヤツは
女心が分かってないな………)

「ところでユキト
今度、俺と一緒に
フェアリーダイブに行こうぜ」

「フェアリーダイブって!?
お前がいつも行ってる風俗だろ?
いいよ!
別に…俺はそんなのに興味ないし…」

「まぁそう言うなって!
巨乳の美人が
何でもしてくれんだぜ!」

「俺は
そこまでリスク背負って…」

義人は何とか断ろうとするが
友人のカーブに押し切られる。

「ユキト!お前
金は持っているか?」

「ああ
金はマイバンクならあるけど…
小遣いなら毎月
少し入れてくれているし
全然使ってないから…」

「く〜〜〜お前はいいよな!
そこでユキトさん〜
ちょっと貸してくんない?」

「お、お前!?
人の金で風俗行く気かよ?」

「ちゃんと返すからさ〜
出世払いって事で!なっ?頼むよ!」

「分かったよ!ちゃんと返せよ!」

「ありがて〜!恩に着るよ!ユキト!
ところで、お前って歳はいくつだ?」

「え!?25だけど?」

「ええ!?
そんなに若かったのかよ!?
てっきり同い年くらいかと
思ってたぜ!」

「そう言うお前こそ!
幾つなんだよ?」

「俺は32歳独身!」

「へぇ〜おじさんだったんだ!?」

「ユキト〜お前な〜!!
まぁ確かに
年齢の話しなんかしないし
顔を合わせてもアバターだからなw」

「そう言えば風俗っても
アバターなんだろ?
そんなので楽しいのかよ?」

「あれ?ユキトは知らないの?
風俗はカプセルスキャンだから
実物その物なんだぜ!
おっぱいも、あそこも、そのまんま!
もう興奮してきたぜ!」


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