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真奈美の性春
【学園物 官能小説】

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真奈美の男たち-5

普通ならば、一般的な基準をいくつか教え、後は本人の応用に任せればいい。
ただ、真奈美はその応用と言うことを一番苦手としていた。
一つ一つの具体的な事例をもとに教えていかねばならなかったのだ。

今回、征爾と雅和は敏明と潤一の力も借りて、
真奈美の好きなようにふるまわせてみるつもりだった。

普段はどうしても遠慮がちで自分よりも他人を優先してしまう真奈美に、
思う通りに、好き放題をさせてみようというのである。
お父さんと関係を持つことができたお祝い、というのがその口実だ。
真奈美は敏明の家でのパーティーの時、
父親とのセックスの直前までこぎつけながら、
自分よりも父母の復活パーティーということを優先したように、
自分なりの納得が得られたものにはとことんこだわり、突き進むことがある。

今回の、近親相姦達成パーティーとでもいう意味を理解させれば、
真奈美は様々な制約から解放されて、
思いのままに振舞うこともできそうな気が、征爾にも雅和にもしたのだ。

もう一つの狙いもあった。
これを機に、真奈美に、セックスの制限を教えようというのである。
これから先、真奈美が何年生きられるかは誰にもわからない。
しかし、親である雅和はもちろんのこと、
征爾も、真奈美の健やかな成長と幸せな人生を願っている。
その中の一つに結婚があるのは当然だった。

真奈美が誰と結婚するかは誰にもわからない。
運良く、敏明と結婚してくれれば、雅和も安心だろう。
今のところは真奈美自身も敏明と一緒になることを望んでいるのは間違いないが、
これから始まる新しい生活の中で、真奈美にも新しい出会いがあるかもしれない。
それは敏明にとっても同じことだった。
小学生の頃に芽生えた感情が結婚まで続くという保証はなかった。

誰が結婚相手であっても、
いや、真奈美が誰でも好きな人を結婚相手に選べるようになるためには、
やはりある程度の貞操観念は植え付けねばならないだろう。

貞操と言う概念を真奈美に理解させることは不可能だと、征爾も雅和も考えていた。
真奈美にとってそれは、今までの人生の全否定につながりかねないからだった。

そこで雅和と征爾は具体的な事例をあげて真奈美に理解させようとした。
その方法として行為の範囲と人数の制限をつけることが一番有効だと考えた。

敏明、潤一そして雅和と征爾。
この4人以外に、真奈美がセックスをしたいと思った男性に巡り合った場合は、
そのことをこの4人の誰か一人以上に相談し、賛同が得られた場合は、
この中の誰かひとりとは別れるということを条件とするつもりだった。

つまり真奈美のセックスパートナーの数はいつまでも最大で4人ということになる。
これから先、新しい恋をし、その相手をセックスパートナーとして選んだとして、
真奈美は結婚までに、最大8人と付き合うことができることになるわけだ。
これを多いとみるか少ないとみるかは人それぞれだが、
雅和は人数よりも密度で、現在の4名、
それにプラスされる新たな出会いの人数4人と言う数字を割り出した。

雅和と征爾の真意は、真奈美が婚相手を最後の最後に選ぶ場面で、
この中の誰かがかかわりを持っているという状態を作りたかったのだ。
そして最終パートナーが真奈美のことを理解しえたと見極めた時に、
自分たちは真奈美のセックスパートナーを降りればいい、と。

他にも禁止したいことはいくつもあった。
複数プレイ、アナル、フィスト、SМ……。
ただ、これらは必ずしも禁止するべき事項とも思われなかった。
つまり、真奈美が選んだ新たなパートナーにそういった性癖がある場合だ。
仮に征爾たちがこうした行為を禁止したとしても、
真奈美が選んだパートナーはその行為を好むかもしれないのだ。

したがって、相手から何か要求されたり、真奈美自身がしたいことがあった場合は、
相手とよく話し合ってからにする、といった程度の制限しか付けられないだろう。

それでも真奈美がやがて独り立ちするときの助けにはなるはずだった。

そうした理由以上に、行為の制限についてはっきりと決められなかったのは、
征爾にしても雅和にしても、自分の性癖を考えた時に、
真奈美へのリミットをどこに設定すればいいのかが決められなかったからである。。。

征爾はある意味、意図的に、
雅和は自然な流れの中で、
世間にあるセックスに関する常識をはるかに超越していた。

征爾は良識や常識に対立する方向で、
雅和はそうした意識はないまま、自分の範囲を確立した。

征爾は常に、そうした対象を意識し、それを克服する形で今日まで生きてきた。
雅和は、自然な形で、
ここまではやっても非常識ではない、ここから先は、世間的には異常と見られる、
そういった躊躇や遠慮がないまま、生きてきた。

このように、二人ともアプローチの方法は全く違ったが、
たどり着いた先は、性への純粋なアプローチという着地点だった。

しかも、征爾は麗子という伴侶に、
雅和は香澄という伴侶に、
双方とも、世間的には類い稀な性癖を持ったパートナーに、
たまたま、偶然、あるいは運命の糸に導かれるように出会い、
求め合い、試行錯誤の結果、落ち着くべきところに落ち着いたのだ。

真奈美が将来、そうした類い稀なパートナーに、
つまり真奈美の性癖を認め、それを許し、出来れば自らも共有してくれるような、
そんなパートナーに出会う確率は極めてゼロに近かった。

それがわかっているからこそ、
父親である雅和はもとより、真奈美の幸せな人生を祈る征爾も、
真奈美に常識的な知識やモラルを身につけようと必死になったのだ。


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