明美の変貌-2
歓迎会以降、明美は生徒を第一に考えて、受付の仕事をこなした、社長や由美子の秘書的な
仕事も積極的に管理し、行動をし易いように予定を入れた。明美の仕事によって全体が、
スムーズに動いていることが、誰にでも解った。
明美さんと人から呼ばれる事が増えた、それは明美に聞けば分ると、他人から思われている
証拠なのだが、忙しくなればなるほど、由美子とは離れてしまったと感じていた。
久しぶりにルミに事務所の前で声を掛けられた、
「明美さん最近はご活躍ですねぇ〜」
「まだまだ、ルミさんには及びませんよ(笑)」
「私の耳には、良い話ししか聞こえてきませんよぅ(笑)」
「そうですか?なら良かった」
「忙しいですか?」
「いいえ特別な予定はないですが」
「食事に行きませんか?」
「ルミさんがランチに誘ってくれるんですか?」
「行きましょうよ(笑)」
二人してカフェにランチしに行った。
ルミさんとカフェに行くと、周りの生徒の視線が、ルミさんに注目していると判った
注目されているんですね、明美はルミに言った
「昔から、こんなだし由美子さまと居たら凄いのは、由美子さまだから気にならない」
談話室に入りメニューを見ながらアレコレ何にするか迷って、二人共女子ランチにした、
ルミが手を上げると一人の女子が立ち上がり、オーダーを聞きに来た、女子ランチを
2つお願いね、そう言ってカードを渡す。
不思議そうに明美が、そのやり取りを見ていて言った。
「ココってセルフですよね?」
「そう(笑)知らない人が見ると驚くんだけど、私の情報屋なんだぞぅ」
「あぁぁ何十人も居ると言われる、仲間達ですね(笑)」
「元々はわたしのファン達だから、この中にも何人も居るよ」
「そうなんだぁ〜凄い」
「だから手伝いしてくれるんだ(笑)」
「お待たせしましたッルミさん」
「ありがとう助かった」
「また何かあれば声かけて下さい」
「判ったぁ〜ありがとう」
二人の前に女子ランチがセットされた
由美子さまと来る時は、色々と内緒の話もあるから便利なんだよね、ルミの情報量の多さが、
こう言う人たちから集まり、ルミが管理している訳だ明美は、実際に見て噂レベルまで
知っているはずだと思った。
食事をしながら、ルミが言った。
「色々と噂を耳にするんだけど、何か新しいオーダーが由美子さまに入った?」
「いいえッ何も聞いていませんし、依頼もありませんね」
「何だか、面倒な話が来そうだからもぅ入っているのかなぁ〜と思って」
「そんな面倒事ですかぁ」
「由美子さまに来るのはみんな面倒事なんだけど(笑)多分・・」
「忙しくなるんですかね?」
「学院長と教頭の交代があるとかないとか、噂があるわ」
「予定にない交代なら何か問題ですかね」
「噂で済めば良いけど、関係した何かがあるなら由美子さまに話があると思って」
「私も気にしておきます」
「そうですね、お願いします」
「はい」
明美はルミから事前にそんな話を聞くのが、少し嬉しかった、自分も由美子さんの仕事の
仲間に入れてもらった気がしたからだ。
「何ッ飲みますか?」
明美が聞くと、ルミが会長も由美子さまも、コーヒーをホットかアイスでしか飲まないから
今の時期はアイスかな?そう言った、なら2つ買ってきますねと明美が言った。
「いいよ明美さんお手伝いしたくて待っている仲間もいるから(笑)」
そう言って手を上げると、男子が一人やって来たアイスを2つとVサインをして頼んだ
セットのお盆も2つ下げて、カードを受け取って買いに行ってくれた。
「彼もそうなんですね(笑)」
「情報以外の仕事は、サプライズだからやりたがる人も多いんだよねぇ〜(笑)」
「私がやると、逆に仕事を取っちゃうんですねぇ」
「そうねぇ(笑)ルミが居る時は、しなくて良いかなぁ」
「お待たせしました」
「ありがとう」
「いいえ 何かあったらまた(笑)」
男子はアイスを2つセットしてくれた、私にはミルクとガムシロも付いていた。
「会長も由美子さんもブラックだから私もブラックなのだ(笑)」
ルミは可愛い声でそう言って笑った
「なるほど、みなさんその辺も判っているんですね」
明美さんが何を使ったかチェックして今度の時は、その準備で届くよ(笑)
なるほど、情報は共有され更新するんですね、流石情報を扱っているだけあるんだと思った。
二人でコーヒーを飲みながら、雑談して楽しんでいると、なんとなく全体が慌ただしく
なったと感じた。明美が周りを見ていると、二人の男子が部屋に来て言った。
「失礼しますルミさま、今の最新情報なのですが、学院長が入院されたと言う話が」
「あら?病気や事故かしら?」
「体調不良で総合病院に先程、入院されたようです」
「そうなんだ ありがとう」
二人は報告を終えると、足早に戻って行った。
「大事でなければ良いですねぇ」
「その辺が噂の原因ですかね?」
「判らないなぁ〜どういう事か まだ」
そんな話をしていると、もう一人女子が来た
「ルミさま学院長の入院は、以前から腰痛が酷くて、手術を予定していた様ですがそれが
早まった感じですね、学院長は退職を考えていたと、言う話もあります」
「そうなのねぇ〜ありがとう」
女子も報告を済ませると、足早に出て言った
その時ルミの携帯が鳴った
「由美子さま、学院長は総合病院に入院されました」
「ハイッ腰痛の手術の予定だと」
「引退を考えられていると話もあるそうです」
「ハイ、今、一緒にいます」
「わかりました、判ったら報告します」
「失礼します」
「正確な情報を集めて確定したら 二人で部屋に来て欲しいって」
ルミの情報の速さと、凄さを目の当たりにした出来事だった