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ビーナスゲームズ〜男子禁制の全裸総合競技会〜
【スポーツ 官能小説】

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開会式−熱狂の幕開け-1

8月のある日曜日、いよいよ男子禁制の全裸総合競技会が幕を開ける。会期は7日間で、陸上、水泳、体操、レスリングなどの競技が行われる。出場するのは国内外での公募で選ばれた女子選手。第一線で活躍するトップアスリートもいれば、この大会に参加するために競技を再開させたかつての人気アスリートや、紀子たちのように本職はアスリートではないものの腕に覚えのある女性著名人もいる。

大会を観戦できるのはインターネットで乗船券付のチケットを購入した女性のみ。こちらも古代オリンピックの逆を行っている。開会式が始まる3時間半前から有明の船着き場では観客のピストン輸送が始まった。どの船も乗客ですぐに一杯になる。老いも若きも美しきアスリートの躍動を期待しているようで7日間すべてチケットは完売していた。
「どんな試合が見られるんだろうね」
「○○さんの裸、楽しみね」
観客はそれぞれ期待感をもってスタジアムに足を運んでいく。

観客の導線は選手のそれと完全に分離されている。なので、選手はどんな観客が来ているのかスタジアムに出ないとわからない。
「ワクワクしてきたね!」
紀子は年甲斐もなく興奮を隠しきれないようで菜々子に飛びつく。
「本当に始まるんですね」
菜々子は一瞬驚くも興奮が伝わってきたようで笑顔で返す。
開会式は参加種目ごとに選手が入場するので、陸上に参加するほのかは水泳に参加する二人とは離れたところにいた。しかし、緊張する様子はなく高揚感に満ち溢れている表情を見せている。

陽が西に傾き始めた頃、有明沖の小さな人工島にあるスタジアムでは「ビーナスゲームズ」の開会式が始まった。メーンスタンド右隅の出入り口から選手が姿を見せる。国別対抗の形をとらないため参加競技ごとに選手が登場する。スタジアムに姿を見せた選手はもちろん全裸。1週間にわたって燦々に輝く日差しの元で練習したために全身一様に日焼けしている。きれいな肌、きれいなボディラインに1万人の観客からはため息が漏れる。3人の女優は至る所から飛ぶ歓声にいつもと違う快感を感じている。裸で歩くことは全く恥ずかしいとは思っていない。女優達だけでなくアスリートも裸で人前に立つことを恥ずかしいと思っていない。
800mのトラックを歩き終わると選手は所定の位置に整列する。全裸の女性アスリートたちはまっすぐに立つ。手は前に組むことなくまっすぐおろしている。普通なら股間を隠すのが当たり前なのに、逆に隠さないことがここでは当たり前になっている風にも見える。
各種目の選手代表が1人ずつ、用意された台の上に立つ。
「私たちはアスリートの強さと女性の美しさに誇りを持ち、正々堂々戦うことを誓います」
真ん中の台に立つ陸上代表の山岡千沙が声高らかに宣誓すると観衆から万雷の拍手がフィールドへ贈られる。いよいよ競技が始まる。


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