11月1日からの3日間-2
・・・学院祭 1日目朝・・・
出店の仕込みが始まっている様だ 開門前から校内は異様にテンションが高くなっている
由美子も相当早く登校したが学院生も相当数作業している。
最近副会長と呼ばれて生徒会まで行くのが当たり前になっていたが
今日は「おめでとうございます」と声を掛けられた
由美子は恐るべし噂話と思って生徒会室へ向かった
部屋に入ると生徒会役員にまで話が広がっていた
「婚約発表をするんだって?」
「何を言っているんですかぁ伊達副会長ッ」
「その話が今一番の話題だと聞いたぞ」
「噂話ですよ」
「会長もありがとうと応えているぞ」
「えええッ そんな事ありませんよ(恥)」
そんな話をしていると会長が来て言う
「今日から3日間 祭り本番だッ」
「準備は出来だッ楽しむぞ」
「祭りだッ祭りッ!」
「ハイッ」
会長の話が終わると伊達副会長が改めて会長に言う
「おめでとうございます」
「ありがとう」
「副会長ッほらね?」
「かいちょうぅぅぅぅ」
由美子は真っ赤になって変な話になっていると思ったが
「由美子さんそんなに赤くならなくてもぅ〜(笑)」
「もぅ認めているんですからぁ(笑)」
女子が面白がって話をする
「あなたは話をややしくしているぅ」
「由美子ッ祭りだッ楽しめッ」
「会ちょうぅぅぅ・ハイ」
もぅ由美子も諦めて楽しむ事にした
・・・学院祭1日目 開門・・・
受付でパンフを受け取ると掲示板の前に人だかり企画は成功の様だ
ホール入口の辺りで特別協賛の広告担当がドリンクの無料配布をしている
受付付近の混雑に配慮して移動したのだろう
会場を周りながらチェックしていると生徒から「おめでとうございます」と
声を掛けられるので 会長に言われた通り「ありがとう」と返事して笑顔で歩いた
午前10時には噂は止まらず3日目の大ホールでのイベントでサプライズ発表があり
由美子副会長が婚約を発表すると学院中に広まった
由美子は会長に迷惑が掛ると会長室に会長を訪ね書記の女子との仕掛けだと告白した
会長は大好きな女を連れて祭を楽しんでも文句は言われないという事だなッ
そう言って学院祭の3日間は私と行動しろと指示された
由美子はそれならそれで凄く嬉しいから判りましたと快諾した。
二人並んで会長室を出てくる姿を見て書記の女子は
「由美子さんおめでとうございます」
「お二人でデートですか?」
「行ってらっしゃいと(笑)」
当然のように送りだした
みんなも同じように
「行ってらっしゃい会長ご夫妻(笑)」と言った
会長も由美子副会長も
「行ってきますと」言って並んで出て行った
ここまでしないと由美子さんも素直になれないのだから困りものです
女子はそう言いながら後ろ姿を見て微笑んでいた。
彼女の作戦に乗せられた感じはあるが凄く嬉しいので良しとして
由美子は会長と腕を組んで学院を見学して回った。
「会長は奥さまと見学ですかぁ〜(笑)」
和歌子マダムが声を掛けた
「和歌子マダムお久しぶりです(笑)」
「会長さんサプライズの結婚発表ですってぇ(笑)」
「おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「由美子さんがお話すると聞いたわよぅ〜(笑)」
「それはただの噂で違いますッ」由美子は必死に否定する
「そうですよ和歌子マダム」
「そんな大切な事は男の私の仕事ですよ」
「会ちょ〜ぅぅぅ悪乗りが過ぎますぅ(困)」
「そうよねぇ〜男ですものねぇ(笑)」
その話を聞き耳を立てて聞いていた周りの学生が一斉に歓声を上げる
「ウォーッ」「凄いスクープ発言だッ」
歓声の中、周りの全員が拍手で祝福した パニックになるほどだった
由美子が会長の手を強引に引っ張りながら生徒会室に戻るまで周りの人たちはみな
拍手で送っていた
会長の手を引っ張り飛び込んでくる由美子紅潮しておりただ事ではない雰囲気に
書記の女子が心配そうに「どうしましたか?」聞く
「会長が悪乗りでぇ悪乗りでぇ」
「和歌子マダムにサプライズ発表は由美子じゃなく私が言うと言った」
「そうしたらみんなに聞かれて会場中 外はパニックだ(笑)」
「あぁぁ会長ッ我慢してくださいょぅぅ2日」
「何をあなたはいつているの?」
「我慢も何もっ・・・噂ッ」
普段冷静な由美子さんはプチパニックだ
「由美子ッもぅ良いだろ噂でも真実でも」
「最終日に私が真相を説明してやるッ」
「私の奥さん扱いがそんなに嫌かぁ?」
「いいえ 凄く嬉しいですけどぅぅぅ」
「なら 良いだろ祭りだッ楽しめ」
「・・・はいッ」
由美子さんは会長の腕を掴んで甘えて見せた凄く幸せそうな顔をしていた
こうして初日は異様な盛り上がりで過ぎていった
・・・学院祭の 初日終了・・・