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コシュカの二都物語
【ハーレム 官能小説】

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ウクライナの混乱-1

カーチャは、クリミア半島の付け根にあったウクライナの特別市セヴァストポリ(Севастополь)の出身だった。2014年2月のキエフ動乱(ユーロマイダン騒乱)の混乱のさなか、ロシア領のタマン半島から、ケルチ海峡を越えて上陸してきたロシア軍特殊部隊に煽られ一部のロシア系住民が決起した。

カーチャは、娘たちの将来を案じた両親の懇請に従い、セヴァストポリ市職員であった父親と主婦の母親を残して、3月中旬に姉と一緒にセヴァストポリから脱出し、クリミア半島を陸路縦断してウクライナ本土を目指した。しかし、ウクライナ本土との間のペレコープ地峡を越える際、彼女の姉は親ロシア民兵の検問に止められ取調室に送られた。

彼女は一路、伯父が住むウクライナ東部のハルキウ(ハリコフ)を目指した。

しかし、ロシア語話者の多いハルキウ州でも、ロシアの傀儡勢力が武装反乱を起こし、政府庁舎やテレビ局を占拠し、4月7日に「ハリコフ人民共和国」の樹立を宣言した。やがて、反乱はウクライナ政府軍によって鎮圧されるが、混乱が広がり東部からも多くの国内難民が発生し、キエフや南東部の主要都市オデッサに雪崩込んだ。

こうした混乱の中、キエフまで移動したカーチャは、そこで行き場を失ってしまった。カーチャはウクライナ語が話せない、ロシア語単一言語話者であったことも、彼女に災いした。普段はバイリンガルのキエフ市民は、親ロシア勢力が、キエフでも再び騒乱を起こすことを警戒して、意図的にウクライナ語を使い出したのだ。

最近のキエフでは、ホームレスの少女たちを言葉巧みに騙し、薬漬けにしてからドイツのFKK(風俗店)に売り飛ばす人身売買組織が暗躍している。彼女が俺のアパートに来れたのは、不幸中の幸いだった。

俺は彼女に、”Вы можете оставаться здесь столько, сколько хотите. Но ты должен сдержать обещание со мной. Ладно?(好きなだけ、ここにいていい。だけど、俺との約束は守れよ。わかったな?)”と言った。

それに対して、彼女は一言”Хорошо. (OK.)”と、答えた。

だが、次の日の朝、俺が起きると、カーチャの姿はなかった。そして、俺のサイフも消えていた。


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