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コシュカの二都物語
【ハーレム 官能小説】

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琥珀-1

それから、3日目の晩に、アパートの扉をノックする音がした。扉を開けると、カーチャがいた。その日は一日中ずっと小雨が降っていたため、カーチャはぐっしょり濡れて、青い顔をして震えていた。

俺は“Заходи, Катя(カーチャ、家の中に入りなさい。)”と、言って彼女を招き入れ、バスタオルを手わたした。それから、俺はホットチョコレートを入れて、少女に飲ませた。

少し落ち着いたカーチャは、しょんぼりして、”Мне жаль. Я нарушил обещание с тобой. (ごめんなさい。わたし、あなたとの約束を破ったわ。)”と、俺に詫びた。

“О каком обещании ты говоришь?(約束って、何のこと?)”

“Я украл твои деньги. (わたし、あなたのお金盗んだ。)”

“Я сказал тебе не лгать мне. Вот и все. Вы не нарушили никаких обещаний. (俺はきみに、嘘を付くなと言っただけだ。きみは約束なんて破っていないよ。)”と俺がカーチャに言うと、カーチャはぼろぼろ涙を流して泣いて、俺に抱きついてきた。

風邪をひく、と俺はカーチャに言って、彼女を風呂に入れた。そして、風呂から出たカーチャに俺は自分のTシャツとジャージの上下を貸した。

夕飯は、肉じゃがと、日本の甘口のカレーライスだった。彼女は初めて見る料理を恐る恐るひとくち食べて、にっこり微笑んだ。

“Это вкусно? Вам нравится японское карри? (旨いか?日本のカレーは気に入ったか?)と俺が、カーチャに尋ねると、

“Да, это вкусно. Спасибо. Кошка. Ты такой сладкий. Позволь мне тебя обнять. (うん。とっても美味しいよ。ありがとう、コシュカ。優しい人ね。ギュってさせて。)と言って、カーチャは、また俺を抱きしめた。

“Могу ли я остаться здесь подольше? Я обещаю вам, что я буду хорошей девочкой. (ねぇ、もう少し長くここにいていい?いい子にするって約束するから。)”

その時、カーチャの胸の琥珀のネックレスに気付いた。琥珀の産地はバルト海沿岸諸国で、ロシアやベラルーシやウクライナでは、ごく一般的な宝飾品だ。しかし、その琥珀は茶褐色ではなく、モスグリーン色をしていた。しかも、彼女の琥珀は、ただのティアドロップ型ではなく、複雑なシャンデリアカットが施され、見る角度によって色が変わった。俺は、その色とデザインの琥珀に見覚えがあった。

一度は諦めかけていた娘たち3人に2003年、彼女たちの15歳の誕生日を祝って、俺が送ったものと非常によく似ていた。

“Откуда это у вас?(これは、どこで手に入れたの?)と俺が聞くと、

“Наша мама дала это мне, когда мы покидали Крым. Она из Санкт-Петербурга, поэтому она хорошо знакома с янтарными украшениями.
(私たちがクリミアから逃げて来るとき、ママがこれを私にくれたのよ。ママはサンクト・ペテルブルク出身なので琥珀の宝飾品のことはよく知っているの。)”と、カーチャは答えた。

食事の後、俺は久しぶりにヴォッカを飲み、酔っ払った。そして、封印していた記憶の亡霊を振り払うかのように、ベッドに倒れ込んだ。そんな俺をカーチャは優しく抱いてくれた。


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