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義母は蜜の香り
【熟女/人妻 官能小説】

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義母は蜜の香り-5

5. エリの身代わり
 エリの墓前で、健志は八重子の目を見つめながら手を取った。
「おかあさん、僕はエリに会いたいんだ。死んだと思いたくない。こうしておかあさんと一緒にいると、エリが帰ってきたような気がする。おかあさんをエリと思って、愛してはいけないですか?」
 八重子は思わず身を引いた。憎からず思っていても、義理とはいえ親子の間柄、単なる不倫以上にためらいが先立つ。しかもエリの墓の前で想いを打ち明けられても、はい分かりましたという訳にはいかない。
「おかあさんの体には、エリと同じ血が流れています。僕はエリを愛したいんです。エリのお墓の前だからこそ、僕の本当の気持ちを分かってほしいんです。事故だから、おかあさんの責任を責めるつもりはありません。とはいえ現実にエリを失った僕にすれば、おかあさんがエリの身代わりをして呉れたらと・・・」
 八重子は周りを見渡した。家の中ならともかく、誰がいるか分からない墓地の中で、手を握るだけでも気が咎める。
 歴史のある古い墓地は、樹齢も分からぬ古木がそびえ、墓の周りは生垣に囲まれて視界を遮っている。健志から責任云々の言葉を聞けば、確かに自分には相当の責任があることは免れない。
 健志の指から、熱い想いがひしひしと伝わってくる。
 これは不倫じゃない、エリの死の責任を取る意味でも、健志のエリを想う気持ちに応える意味でも、エリの身代わりになることは仕方がないのかも・・・。
 健志に腕を取られ、誘われるままに墓石の裏に回った。健志に引き寄せられ抱き寄せられる寸前に、さっと周りに目を走らせた。大丈夫、ここなら誰かに見られる心配はない。唇が吸われた。


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