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お姉さまのミリタリー講座
【ガールズ 恋愛小説】

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お姉さまのミリタリー講座〜狙撃編その1〜-3


*            *            *

 今まで私はお姉さまの家に行って銃の扱い方を教わってきた。
 でも、一年生は座学が中心だったから二年生になった私は今回のような本格的な授業は初めてで、しかも同じ班には憧れのお姉さまが。
 もし、大きな失敗なんてしたら…お姉さまに嫌われるかもしれない。
 …ダメ、最悪な事は考えないようにしよう。

 私達の班は今、駅の待合室のような空間でレンジ内に入る前の最終確認をしている。
 お姉さまは今愛銃のルガーP08を点検しているから、25mではルガーを使うんだろう。
 以前、お姉さまはルガーは命の次に大切だと言っていた。
 …私はお姉さまにとってどれくらい大切なんだろう…。

「由衣?」
 お姉さまの声が聞こえてくる…ボーっとしてたからかな?
「貴方も早く準備しなさい。」
「は…はいっ!」
 言われてすぐ準備を始める、準備と言っても私は弾が入っているか確認するくらいだけど…。
 今回私が使う銃はGLOCK26と言う銃で先日お姉さまの家に行った時に頂いた宝物第二号。
 所々プラスチックで出来ているこの銃は軽くて使いやすいらしいけど、私にはよくわからない。
 違いと言えばグリップが手にぴったりくっつくような形をしていて気持ちいい…かな?
 ただ、スライドを引くのには相変わらず苦戦していて、思いきり引かないとチェンバーに弾が入ってくれないのが悲しい。

 そうこうしている内にお姉さまがレンジ内に入った。
 銃を撃つときのお姉さまは凛々しくて、思わず見惚れてしまう。
 そういえば、私がお姉さまを好きになったのもお姉さまの銃を撃つ姿を見てからだった。
 その姿を見て一目惚れしてしまった私はそのまま告白をして……。
「由衣ちゃん、顔赤くなってる。」
「の…のり子ちゃん!?」
 お姉さまとの思い出を取り出していたら急にのり子ちゃんが覗き込んで来た。
「どうせお姉さまの事でも考えていたんだろうけどさ……公の場くらい公用の顔しようよ。」
 しかも言いたい放題…だけど、図星なので私は何も言うことは出来ない。
「恋する乙女なのは良いけど、単位落とさないように気を付けなよ。二年生は実技メインなんだから。」
「大丈夫だよ、お姉さまの家で練習したから。」
「うわ、今度はノロケか。」
 うう…のり子ちゃんって実はサドなんじゃないかな…。


 何度か発射音が聞こえてから、少し経ってお姉さまが帰ってきた。
「相変わらずやるな、お姉。」
 双眼鏡でお姉さまが撃った的を見ているらしい圭先輩がお姉さまに向かって言う。
 眼鏡をかけたまま覗いているので、使いずらそうだ。
「初弾から最後までのズレが的の中心から3cmくらいしか無いぞ。」
「まあ…25mだし、この距離は家でよく練習していたから。」
 良くわからないけどお姉さまは凄いらしい。
 しかも、お姉さまはその凄さを鼻にかけない謙虚さだ。
「精度が良くない銃を使ってるのによく言うぜ…。」
 そう言って圭先輩は席から立って25mで使うらしき銃を手に取って縦に連なっている弾を上から差し込むようにして入れた。
 特徴的でクリップ式弾倉の銃…あれは確かMAUSER C96だったかな…?


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