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エスカレート
【痴漢/痴女 官能小説】

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大胆に一歩踏み出す-1

直美は、一瞬身体を硬くした。
微かに、低く唸る男の声を耳にしたのだ。

なんとなく予想はしていた、こんなにも直美を激しく刺激するものばかりが、
ココに揃えられているのだ。
当然今も自分の行動を、影から覗き観していても不思議ではない。
しかしそれが、写真の少年だと思うと、不思議と怒りや恐怖のようなものを
全く感じなかった。むしろ、可愛いと思っていた。

直美はジャージを履くと、首元までジッパーを上げて
カバーの上の写真をポケットへしまい込んだ。
耳を澄ましてみるが、少年の唸り声も、気配も感じなかった。
このまま自分の意思を伝えられないのはもたいないと直美は思った。
しかし、どうしたものかと考えても急には、良い案が浮かんでこない。
直美は立ち上がると、鍵を開けて個室を出た。


男は、頭を抱えて後悔した。
思わず激しい快楽に溺れ声を漏らして、
あの人に存在を気づかせてしまったことを
只、こうしてあの人の気配と声を聞いて、興奮しているだけで、満足できていたのに
十分に存在は、アピールできたはずなに
あの人に不快な思いをさせてしまった
あああぁぁぁぁ男は、後悔に大声を上げたくなるほど自分を責めた。

「カチャ!キキィィィィバタン!」
やはりあの人が、個室を出て行ってしまったようだ。
男は慌てて、スボンを腰まで上げるとあの人を見送ろうと思って慌てて準備した。


直美は鏡の前まで来て、手を洗おうと蛇口をひねった。
勢い良く流れ出す水に、手をかざし両手を擦り合わせながらふと横を見ると
几帳面に折り畳まれた真新しい白いタオルが、そこに準備されていた。

直美は、一気に胸に熱いものがこみ上げてきた。
タオルで手を拭きながら、直美は、独り言のようにこう囁いていた。

「明日はちゃんと中で、写真の格好で私を待っているんでしょうねッ!」

そういい終えると、直美は拭いたタオルをその場に置いて
足早に建物を飛び出して通りの方へ走っていってしまった。


水の流れる音・・・

男は慌てて個室を飛び出そうとしたが、水の音が消えた為に出るのを躊躇した。
男は、あの人の言葉を耳にして信じられなかった。

明日は、個室で待っていろと言っている。
嬉しい・・・凄く嬉しい・・・
走り去る、あの人の足音を聞いて、男は再び個室に腰を下して
今の言葉を良く思い出してみた。

「ちゃんと中で待って居ろ?中で?中って何処だ?ココか?あっちか?」
あぁぁぁ・・・男は、頭を抱えて悩みこんでしまった。



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