お持ち帰りされる人妻 (6)-3
ホテルの部屋に入るなり衣擦れの音と、男女の笑みを含んだささやき声が聞こえてくる。
「え? 濡れてる……?」「……いじわる……んん……っ!」「はぅ! ん……恥ずかしいよ……」
普段より一段高い甘えきったゆきの声がショックだった。目の前の男に抱かれたい、可愛いと思ってもらいたいという気持ちが前面に出過ぎていて気持ち悪い。
「だって……Fくんがお店や公園であんなことさせるから」「うん、してたらエッチな気分になっちゃった……」「旦那? しないよ……するわけないじゃん……」「いくら個室だって普通はしないしさせません」「あんなことさせるのFくんだけ」「店員さんに絶対ちょっと見られてた……恥ずかしからもうやめて」
どうしてどいつもこいつもゆきとデートする男はホテルまで待てないのだ。それを断らないゆきにも腹が立つ。
「公園のトイレで? うん、興奮しちゃった……チュ……」「昔を思い出しました……」「でも昔も思ってたけど、ちょっとずるくない? だってゆきはFくんのをお口に咥えながら、自分のも触るんだよ……」「うん、不公平……ゆきだけ忙しいの……ん、んん……チュ……」「エッチなの?」「ゆきのことエッチで可愛いって思ってくれる?」「それならうん……いいよ。またしてあげる……」「Fくんにもっとエッチって思ってもらいたい……」「もっと可愛いって思われたい」「ん……ありがとう……いっぱい気持ちよくして!」「ゆき頑張ったんだから、いっぱいご褒美ちょうだい!」
なんということをしているのだ、私の妻は。ゆきはセックスのときこうなってしまう女だと知ってはいるが、いい歳をして本当に恥ずかしい女だと思う。
「ねぇ、キスして……んん、チュ……」「ぁん! そこ気持ちいい……ん、ちゅぅ……ちゅ……もっと触って……」「……ぁあん! そこ……気持ちいい……です」「もっと触ってください……そう、そこ……」「ぁん! そっちはだめ……ねぇ、そこはやめてください」「シャワー浴びてないのに……ぁ、ぁあん!」「ねぇ汚いから。ぁ、だめって言ってるでしょ?」「恥ずかしいです……だめ……ぁ、や……」
言葉遣いが「恋人」から「性奴隷」のそれに変わりはじめ、どうやらアナルを犯されている。しばし沈黙の時間が続く。聞こえてくるのは、ゆきの切なく荒い息遣いのみ。
「はい……」「はい……少し……」「はい、気持ちいいです」「えっと……お尻の、穴……」「……ぁああ! はい、お尻の穴、気持ちいいです……!」「ぁああやだ……気持ちいい、どうしよう……」「え? お尻押し付けるの? 昔みたいに? いいの本当に?」「ぁあ恥ずかしいです……Fくんにお尻の匂い嗅がれてる……」「Fくんのお顔に押し付けて……恥ずかしいのに気持ちいいです……ぁああ!」「え? やだ、臭いなんて言わないで……」「やだやだ、臭くないもん、いじわる……エッチな匂いなんてしてないもん……ぁああ!」
かつてのゆきは、Fに言われたらその場ですぐに尻の匂いを嗅いでもらうように躾けられていた。公衆便所で、カラオケボックスで、路地裏で、雑居ビルの階段で、あらゆる場所でゆきはこの嗜虐の儀式を受けた。
はじめはスカートを穿いたままの尻を嗅いでもらう。そこから一枚ずつ剥がされ、ストッキングやタイツの上から、ショーツの上から匂いを嗅がれて最後は自分で尻たぶを左右に開き、肛門に直接鼻を押し付けられ舐めてもらうのだ。その頃にはもうゆきの股間はむんむんに蒸れてさらにいやらしく匂う状態となっている。
「ぁあああああ……ごめんなさい、臭くてごめんなさい……」「もっと嗅いで、ゆきの臭いお尻の穴の匂いもっと嗅いでください」「そうそこ、触って……気持ちいいの……!」「お尻の穴、もっと弄って! 舐めて! もっと匂い嗅いで!」「あ、あ、ぁあ! いく、いっちゃう! ぁあああ!」「ぁ、あ、ぁああ、だめだめだめぁあああいくいくいくいきます……だめぇぇぇいっちゃう! ぁああああああ!」
私が一目惚れした「ゆきちゃん」の屈託のない笑顔が思い出される。美人がつんと澄ましていると、ときに近寄りがたい冷たい印象を抱かせることがあるがゆきもそうだった。ところが勇気を出して声をかけると、目尻にきゅっと皺を寄せて微笑んでくれる。しかも振り向くときに髪がふわりとなびき、花の蜜のようないい匂いがするのだ。私の中で、ゆきの笑顔は甘い匂いの記憶とともにある。
そのゆきが肛門の匂いを嗅がれている。当時も今も、肛門の匂いを嗅がれ「臭い」と虐められ喜んでしまうマゾ奴隷。
「もうこんな固くなってる……チュ……ペロペロ」「すごい……太くて固いです……ペロペロ……」「Fくんの生チンポ……お口でぱっくんしていいですか?」「ありがとうございます……んーーぁむ……」「んぐ、ぁむ……ぁむ……じゅる……」「んむ、ぁむ、ん……」「ん、んぐ……ぷ……じゅぷ……じゅる、じゅる……」「ん……生チンポおいしい……太くて固いです……」「ん、奥まで……んんぐ……んぽ、ごぽ……んぽ……ごぽ……んが……」「じゅぷ……じゅっぽ……じゅっぽ……んが……んぐ……じゅっぽ……じゅっぽ……ジュルル……じゅぷぷ……」