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ブービートラップ
【ショタ 官能小説】

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愛しい華恋-1

俺は華恋とセフレになった。華恋は、母親や家族が経験した苦しみや、自分の出生への原罪意識から徐々に解放され、ようやく自分自身の人生を歩み始めた。それでも、彼女の壮絶な少女時代や、誰にもすがることの出来ない現在進行形で続く孤独な日々について彼女の話を聞くにつけ、俺は、心の底から華恋に寄り添い、彼女の力になりたいと思った。と、同時にただの中坊に過ぎず、彼女のために何もできない自分の無力さを呪った。

俺は、華恋と身が焦げるような情熱的な恋をし、彼女と共に手を携えて生きて行く未来を夢想した。だが、そのような淡い願いも、過酷な現実は許さなかった。

俺は、華恋を傷つけたくなくて、セックスのときも労わり合うような抱擁と愛撫に終始し、激しく求めることはできなかった。

俺が中2に進級した翌年の4月に事件は起きた。華恋が勤務する病院に新たに着任した研修医達の懇親会に、彼女は誘い出され、そこで睡眠薬を盛られて輪姦された。事件後、彼女はリストカットや自殺未遂を繰り返し、やがて手紙を残して俺の前から姿を消した。

華恋を失った俺の悲しみは筆舌に尽くし難く、彼女が俺に宛てた手紙を毎晩読み返しては涙した。

『コウちゃん、私は自分なんて生まれてこなけばよかったと思い、ずっと苦しみながら生きてきました。

まだ小学校の低学年だった子供のときに、教会の神父が、こう言いました。『お前は穢れた子どもだ。けれども、イエスさまは、人間の一切の罪をひとりでお引き受けになり、ゴルゴダの丘で磷付けにされること選び給うた。だから、お前の罪も救われる』と。

そういって、神父は、硬くなった彼の男性自身を私の口元に突きつけて、口淫を強要しました。私は男達なんて、みんな偽善者の集まりで、口では綺麗事を言うけど、自分の欲望を満たすためだけに、女を散々利用し、使い捨てる卑劣なクズだと身に染みて知り、それ以来ずっとそう思ってきました。

それでも、きみと出会って、私の考えはすこし変わりました。私は、自分の抑圧された気持ちの矛先をきみに向け、きみを虐げ、傷つけました。それなのに、きみは私を優しく抱きしめて、私のことを好きと言ってくれました。

私はこれから、どうきみと向き合って生きていけばいいのかわかりません。きみが今後他の男たちのように利己的な人間に変わっていくの見るのは怖いし、自分が元の二重人格の嫌な女に戻り、きみを苦しめるのはもっと怖いです。

私は、何度も死のうとして結局死にきれませんでした。だから、もう二度と自ら死ぬつもりはありません。男に依存せず、地を這ってでも生き抜きます。そして、逞しい人間に成長して、再びきみの前に立ちたい。 華恋』

華恋は、俺に彼女の秘密を話してくれたが、俺はまだ彼女に俺の秘密を教えてはいなかった。俺はもう既に、彼女のブービートラップに掛かってしまった、ということを。



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