朱代と浪子、アナル大開放!!-1
悩ましき寝苦しさに朱代は悶々としていた。
もはや縁もゆかりもない者として、盃の重みから解き放ってやったつもりの腹心・柴田は、それでもなお五条邸に居残っていた。
そして何をしているかといえば、柴田は夜な夜な隣室の浪子に引っ張り込まれ、性欲の発散道具に使われているのだ。
「あぁんっ、あっ、そこ……いいっ! 柴田ぁ……気持ちいいわぁ!」
ストックされている酒をしこたま飲んではセックス三昧の浪子である。
それまで安西組の台所役として行儀よくしていた鬱屈を晴らすかの如く、欲望のおもむくまま柴田を性具として酷使するのであった。
情交の痕跡が生臭く残る寝具を洗濯することになる朱代の心境は複雑だった。
あまりにも開き直りすぎている。
浪子に対して、そう思わずにはいられない。
だが朱代自身もまた「仕事」となると我を忘れて欲望に呑み込まれてしまう。
これからの人生は五千円の対価で何でもするAV女優として生きなければならない朱代なのだが、ふと冷静になって己を見つめてみると、あまりにも滑稽ではないか。
「んあっ! あ、ふうぅんっ! それイイっ!! もっとズコズコぉ!」
けたたましい水音を響かせてピストンが行われる隣の様子に、朱代は布団をかぶって悶々としていた。
「姐さん、ケツの穴にいよいよチンポ挿れられるの大丈夫ですか」
打ち合わせに訪ねてきた梶谷は、単刀直入に言った。
「いつでも!」
朱代は目を輝かせて言った。
内心では、目の前にいる梶谷の真珠入りペニスで肛門をえぐり返されることを期待していた。
「それで……次の企画なんですが、これですよ」
梶谷は一枚の紙っぺらを差し出した。
『義姉妹極妻口便器! 四十四歳ビッチBBAの肛門と三十九歳義妹の口をケツ汁だくだくチ○ポが行ったり来たり! ぶっかけアナル中出し大祭典!!』
タイトルはそうなっていた。
「えっ……これって浪子ちゃんと共演ってこと!? うそっ……嬉しいっ!」
声を弾ませる朱代だ。
「この前の姐さんと凛子の口便器企画、発売前だってのに予約殺到で追加プレスが間に合わないくらいで。先手を打って第二弾を撮ろうということになりましてね」
「それ最高じゃないの! 今度はわたしのお尻におっきいおちんちんズコズコして、浪子ちゃんにお掃除させるんでしょう? 考えただけでドキドキしちゃうわぁ……」
「姐さんも相当な変態の本性現し始めたもんだな……ケツにチンポぶっ込まれること想像してそんな嬉しそうな顔しちまってんですか?」
「う、うるさいわね。それより梶谷、あんた凛子ちゃんのことどう考えてるのよ。自分の娘をあんな仕事に巻き込んで……」
「本人が望んでるし、実際あいつには天職じゃねえかって思ってますぜ。しかし問題はあいつのギャラが高いってことかな。そのぶん姐さんと浪子ちゃんには余計頑張って貰わねえと。何しろ二人合わせても五千八百円だ。俺の普段のランチ代より安上がりだから助かるぜマジで」
最低の侮辱台詞だが、朱代はつられてゲラゲラ笑い転げた。
もはや感覚がおかしくなっているのだった。