譲司を変えたもの-4
フロントの人間は、これを単なるプレイの一環、
あるいは痴話げんかとしてとらえるだろうか。
当然、一つの事件としてとらえ、警察へ通報するだろう。
警察に通報すれば譲司は犯罪者として捕まることになるだろう。
自分は警察に保護され、何らかの調べを受けた後、家へと送ってもらえるだろう。
しかしそうなれば、当然のことながら譲司との関係が夫に知られることになる。
ホストとの遊びなど、夫はそれを知ったところで、
それほど咎める事はしないかもしれない。
世間体を考えて、離婚などは持ち出さないはずだ。
逆に、自分のホステス遊びが大手を振ってできるようになると喜ぶかもしれなかった。
しかし問題なのは、結婚以来、夫の前では貞淑な妻を演じてきた自分に、
実はこんな趣味があることを知られることだった。
縄で縛られ、鞭打たれ、蝋燭を垂らされながら屈辱的な言葉を浴びせられ、
自らもそうした言葉を絶叫し、乱れ狂う、
そんなふしだらな女であることを夫に知られることになる。
譲司は美樹の股間を足で踏みつけたまま、再び言った。
「さあ、どうする?このまま放り出してやろうか。」
しかし、夫に電話をさせてどうするつもりなのだろう。
おそらくは電話で話している間も、譲司は自分を執拗に責め立て、
電話の向こう側の夫に今自分が何をされているのかを報告させるつもりに違いなかった。
どちらを選択しても、今の状況が夫の知れることに変わりはなかった。
「さあ、早くしろ。それともたたき出してやろうか?」
美樹は譲司の意図を悟った。
「ごめんなさい。4P、わたしも前からやってみたいと思っていたの。」
「そうか。だったら今日は許してやろう。」
美樹は正直恐怖を感じた。
それでいながら自分の股間は異常なほどに濡れていた。
あれほど追い込まれていながら、
それさえも性的な刺激として受け止めてしまう自分の身体が呪わしくさえ思われた。
譲司の足裏の感触さえが性的な刺激となって、美樹の身体を濡らしていたのだ。
その日、美樹はいつも以上に興奮し、譲司のペニスを自分から喉の奥まで飲み込み、
何度も嘔吐を繰り返しながらも、何度もペニスを喉奥まで飲み込んだ。
いつもは嫌がるアナルへの挿入も自ら望み、
初めての騎乗位でのアナルセックスでは涎を流しながら自ら腰を振り続けた。
そして今までには決して口にしようとしなかったあの言葉を連呼しながら、
何度も何度も絶頂を迎えたのだ。
「ああ、ケツマンコが、ケツマンコが、壊れる〜。
あ、ああ、譲司。譲司。もっと、もっと、アナルの奥をほじって。」
それだけではなかった。
バックから責め立てられながら、アナルにバイブを差し込まれ、
狂ったように頭を振り、叫んでいた美樹は、譲司の問いかけにこんな風に答えたのだ。
「美樹。どうだ?次はどんなことをして虐めてほしい?」
「ああ、も、もっと、わたしを辱めてください。」
「もっと辱めてほしい?例えばどんなふうにしてやろうか?」
「ああ、夫に、夫に電話を、」
「夫に電話?今、かけるというのか?」
「そ、そう、あ、アナルに、挿入されて、いる、時に。」
「アナルセックスの最中に、旦那様に電話なんかしてどうするつもりだ?」
「さ、されている、ことを、ほ、報告します。」
「そうか。それは興味があるなあ。美樹。本気だろうな?」
「もちろんよ。ああ、想像しただけで気が変になりそうよ。」
「よし、分かった。」
譲司はベッドヘッドへ手を伸ばし、美樹のバッグを取り上げた。
「ほら。じゃあ、電話してみろ。」
美樹はバッグから自分の携帯を取り出し、キーを押した。
発信音が譲司の耳にも聞こえた。
(こいつ、本当にかけてやがる。)
譲司は美樹のアナルに突き刺さったままのアナルバイブを一気に引き抜いた。
ポッカリと空いたままのアナルがひくひくと動いていた。
「あ、あなた。今、忙しいかしら。」
譲司は美樹のオマ〇コから引き抜いて濡れているペニスを、
美樹のアナルのぽっかりと空いた穴に一気に突き刺した。
「アウッ。え、あ、な、なんでもないわ。」
美樹は携帯を耳に押し当てたまま、話し続ける。
「え?ええ。そ、そうよ。お、お友達と、一緒。」
(報告するとか言ってたが、やはり胡麻化すつもりか。)
「あ、い、ううん。な、なんでも、な、あ、うう、うん。」
譲司は美樹から携帯を取り上げると、スイッチを操作し、
スピーカー通話に切り替えてベッドの上に放り投げた。
スピーカーからは夫の声が聞こえる。
「で、いったい何の用だ?また、何か買ってほしいバッグでも見つかったのか?」
「え?あ、そ、そうなの。それで、そ、相談、し、あ、いい、しようと思って。」
譲司はゆっくりと腰を動かした。
〈パンッ〉という、美樹の尻に譲司の太ももが当たる音が部屋に響く。
「ん?何の音だ?」
「あ、うん。ちょっと、ぶつかっただけ。な、なんでも、な、い。」
〈パン、パン、パンパン〉
譲司は腰の動きを速めていく。
「あ、あなた。今、忙しい?ごめんね。あのね、今、わたし、何してると思う?」
美樹はベッドの上の携帯に向かって、声を震わせながら話し始めた。