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思い出の初体験
【幼馴染 官能小説】

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譲司の迷走-1

譲司自身、自分が普通の状態でないことはよくわかっていた。
秀美があれ以来姿を見せないことへの寂しさと苛立ちが、
譲司を異常なまでに苛立たせていた。

しかし、譲司の指名客たちのほとんどがそうした譲司を受け入れた。
受け入れるどころか、客たちは譲司の侮蔑的な言葉や無理な要求に対して、
ある種の恍惚感を感じるようになり、嘘のように従い始めたのだ。

あの日、美樹は譲司にバックからアナルファックをされている最中に、
自らの意思で夫に電話をかけ、実況中継を聞かせた。

「あ、あなた。今、忙しい?ごめんね。あのね、今、わたし、何してると思う?」

ベッド上に放り出された携帯のスピーカーから夫の気のない返事が聞こえた。

「何をしてるって?どうせ、いつものおばさん連中とくだらない話の最中だろ?」
「ち、違うわよ。今日は、そ、そんな、なじゃ、ないの。」
「じゃあ、エステにでも行ってるのか?」
「え、エステ?あ、そう、そんな、感じかしら。」
「マッサージでもしてもらっているのか?」
「あ、ああ、そうよ。マッサージも、して、もらった、わ。」

譲司は内心、そんなことだろうと思った。
譲司に最中に夫に電話などして、本当のことなど話せるわけはないのだ。
自分が浮気していることが夫にバレるのではないかというスリルを味わいつつも、
女が今の生活を手放すことにつながる様な浮気の告白などわざわざするはずはないのだ。
夫のマッサージという問いかけに対して相槌を打つことで、結局胡麻化すのだろう。
譲司は単純にそう考えていた。
それでも自分から電話をかけると言い出した美樹の変貌ぶりには少し驚いていた。

しかし、譲司の予想は思いがけない形で外れたのだった。
「バイブ、を、使って、あ、あう、もらった、のよ。」
「バイブ?ああ、マッサージ器か。」
「違う、わよ。バイブ、レーター、よ。アナルの。」
「アルル?アルプスかなんかか?」
「もう、あなたったら。あ、アナルよ。お尻の、穴。」
「お尻の穴?お前、何言ってるんだ?」
「あの、ね。アナルバイブで、お尻の、あ、いい、穴を、ほぐしてもらって、から、
 ペニスを、あ、いい、そ、そこ、」
「おい、何を言ってるんだか分らんぞ。まったく。もう切るぞ。」
「あ、まだ、話が……。切れちゃった。」

譲司は女の恐ろしさを見た気がした。
美樹は少し照れたように笑うと、さっきよりも激しく譲司のペニスを求めてきた。

「ああ、カズ。突いて、突いて。わたしのアナル、もっとよ。」
「美樹。旦那さん、全く気付いていなったみたいだな。」
「後でもう一度、電話をするわ。そしたらもっとはっきり言ってやるの。」
「なんていうつもりだい?」
「今、アナルファックをしてるのって、ハッキリと言うわ。
 ケツの穴にペニス突っ込まれて、よがり狂ってますって。」
「美樹。淫乱な女だ。」

譲司は怒りとも何ともわからない不思議な感情を込めて、美樹のアナルを貫いた。

美樹は喘ぎながら、絶頂を迎える直前、今度はこんなことを口にした。
「ああ、そうだわ。ねえ、書いて。」
「何を?」
「わたしの身体に、淫乱女、って、ハッキリと書いて。消えないように。
 夫に見せてやるの。ねえ、カズ。淫乱女って、書いて。」
「どうせ風呂に入って消すんだろ?」

譲司は美樹が前回、自分が眠っている間中、身体中に書かれた卑猥な言葉を、
必死になってすべて消してからホテルの部屋を出たことを知っていた。
今回も、今のこの瞬間を盛り上げるための詭弁だろう。
譲司はこの時はまだそう思っていた。

「ああ、だったら、写真を、証拠の写真を撮って。
 夫に見せるの。写真も、身体の落書きも。ねえ、カズ。」

譲司には美樹の魂胆が見えてこなかった。
そこまでしてこの女に何か得るものはあるのだろうか。
週に何度も男遊びができるような生活と、多額の金額を男に貢げるような財力を、
投げ捨ててしまう可能性、それと引き換えに得られるもの。

譲司はその正体がなんなのか見極めてやろうと決めた。

「わかった。じゃあ、消えないように油性のマジックで書いてやる。
 今度会う時は美樹、お前が買ってくるんだ。」
「今日じゃないの?今、書いてくれないの?」
「今日は各物がない。次だ。
 その代わり、マジックを買う様子を撮影して来い。
 店の奴に消えないインクのはどれかを聞くんだ。
 何に使うのか聞かれたら、わたしの身体中に変態女、淫乱女と書いてもらうから、
 消えないマジックが欲しいと言うんだ。
 いいな?買い物の様子も録画して来い。」

ここまで要求すれば美樹も何らかの拒否的な言葉や態度を見せるだろう。
そうなれば、お前は結局そこまでの女だったんだと罵ってやればいい。
さあ、美樹。どうする。

「わかりました。じゃあ、今日書いてもらうことは諦めます。 
 次は必ずマジックを買って持ってきます。 
 だからお願い。わたしの身体中を卑猥な言葉でいっぱいにしてください。
 そしてその様子を夫にも見てもらうから。」

美樹は譲司に懇願しつつも、先ほどまでのテンションが一気に冷めたようで、
ベッドに突っ伏したきり、何も言わなくなった。
譲司はここまでだなと思い、美樹を部屋に残したまま、ホテルを後にしたのだった。

美樹は次の週には店に現れなかった。
それに合わせるかのように蘭も好子も店には現れなかった。
譲司は蘭や好子に言った4Pの話も棚上げになるかと考えながら、別の客を抱いた。


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