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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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母・香澄の不安-3

「大きなおうちですね。うらやましいですわ。」
「いえいえ、家族が5人もいると、これで結構手狭に感じるんですよ。」
「はあ………。」
「あ、真奈美ちゃんは美奈子の部屋の方へ。」
「は〜い。じゃあ、お母さん、あとでね。」
真奈美は勝手知ったる様子で、廊下を歩いていく。

「なんか図々しくって申し訳ありません。」
「いえいえ、とんでもない。
 真奈美ちゃんもうちに来たら我が家の一員ですから。
 それに5年もの間、毎週来てくれているんですから。
 誰の部屋がどこにあるかなんて、知っていてむしろ当然です。」

「じゃあ、いつも勝手に歩き回ったりしているんじゃないでしょうか。」
「ええ。真奈美ちゃん、好奇心の塊ですからね。さ、こちらです。」
「え?地下室、ですか?」
「いえ、それほど大げさなもんじゃありません。
 ただ、周りに音が漏れることなく落ち着いた部屋が欲しいと主人が。」

「オーディオルームとか?」
「あ、もちろん、そうした設備も整えてはあります。
 ホームシアターとか。」

「映画鑑賞がご趣味で?」
「いえ、自分たち家族のビデオです。
 家族それぞれが楽しんでいる場面を撮ったビデオです。」
「ああ、そういうことですか。」
「ええ。ですから、真奈美ちゃんのビデオもありますよ。
 敏明に治療をしてくれている場面とか、
 紗理奈たちと楽しんでいる場面とか。」

「まあ、そんなものまで。やはり、ずいぶんお世話になっているみたいですね。」
「いえいえ、真奈美ちゃんがしてくれていることに比べれば。
 さあ、この部屋です。」

麗子は地下室の重厚なドアをゆっくりと開いた。

香澄は麗子に導かれ、部屋の中に入った。
が、その瞬間、身体を固くして立ち止まった。

部屋の中は薄暗く、よくはわからないが、香澄は異様な雰囲気を感じ取った。

「こ、ここは?」
「驚かれましたか?この部屋は【プレイルーム】。
 もともとはわたくしたち夫婦の【秘密の部屋】の予定で作りました。
 敏明と真奈美ちゃんが使い始めてからは
 【プレイルーム】という名前に変えました。
 その後は使い方によって【治療室】【マッサージルーム】って呼んでみたり………。
 【お仕置き部屋】とか【拷問部屋】になっていた時期もありますが。」
「お仕置部屋、に、拷問部屋、ですか?」

「生野さんご夫婦は、そうした趣味はございませんか?」
「趣味?」
「ええ。縛られたり鞭で打たれたり。時には蝋燭をたらされたり。」
「鈴木さん。わたし、帰らせていただきます。なんですか、いきなり。
 そんなこと、人前で言うことですか?」

「生野さん。いえ、香澄さん。少し落ち着いて聞いてください。
 そういう趣味や性癖は、いけないこと、でしょうか。」
「い、言え、そうはいってません。
 ただ、人様にお話しするようなことではないと。」
「そうでしょうか。
 もし、同じ趣味の方がいたら、どこかに集まって、一緒に楽しむ。
 そんなことはありませんか?」

「それはもちろん、あるとは思います。料理とか手芸とか。
 でも、縛るとか蝋燭とか、そんなものは……。」
香澄は頭を振りながら汚らしいものにでも触れてしまったかのような表情になった。

「ですから、そういう趣味をもってはいけないような理由があるのでしょうか。」
麗子は極めて冷静に、そして落ち着いた声で言った。

「そ、それは………。」
「何が好きで何が嫌いか、それは言ってみれば個人の自由です。」
「もちろん、そうだとは思います。でも。」
「でも、SМは異常だと?」
「異常、とまでは言いませんが、普通ではないと………。」

「そうでしょうか。わたしは、人間誰しも、人さまには言いにくいような、
 習慣や癖を持っているような気がします。
 自分は人とは違うのではないか、と言うことを恐れるあまり、
 人と同じことをする。
 それは安心を得るためであって、自分の本当の気持ちではない。
 それは単に多数派になっただけのことではないですか?」
麗子は香澄の顔を正面から見つめながら付け加えた。
「多数派が正しくて少数派が間違っている。
 果たしてそうでしょうか。」

香澄は麗子のまっすぐな目に戸惑いながら答えた。
「いえ、そんなことは。」

「SМは普通ではない。異常なことだ。
 なぜなら大多数の人間はそんなことはしないからだ。
 ごく少数の異常な人間だけが、縄で縛られることで快感を得て、
 鞭で叩かれることの喜びを感じる。
 そんな一部の人間が、異常で変態なのだ。」
「そ、そこまでは………。」

麗子の顔は決して怒ってはいなかった。
むしろ穏やかな表情で、その言葉は香澄の心を鋭くえぐってくる。

「香澄さん。失礼ですけれど、あなたは何か、不満を抱えてはいません?」
「えっ?」
「そう。例えば、生活について、子育てについて、ご主人の言動について。」
「そ、それは、もちろん、多少はある、と思います。」
「その不満は、誰にでも共通する普通のことですか?
 香澄さんだけのこだわりや香澄さんだけの悩みとかはないですか?」
「そりゃあ、ないことは………ないです、が。」
「そのこだわりは、その悩みは、誰もが悩むことですか?ごく普通の悩みですか?」
「い、いや、そ、それは………。」


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