手受け式 -乙葉と浩介-(2020/02/10)-17
祭りの帰り道。
乙葉と浩介は儀式を振り返っていた。
「乙葉が・・・・、口でしてくれたから、
なんとかなったんだよね・・・・。
乙葉、本当にありがとう。」
「ううん。
・・・いいの。
うまくいってよかった。」
「あのさ・・・、
乙葉は、最初から口ですることを考えてたの?」
「ううん。
違うの。
・・・・・実はね、お母さんからのアドバイスだったの。」
「ええ!?
そうなの!?」浩介は驚いて大声で聞き返した。
「・・・・うん。
お母さんがね、『もしもの時は、巫女さんが
何かの合図をしてくれるから』って。」
「・・・・ふ〜ん。
乙葉のお母さん、どうして知ってるんだろうね。」
浩介が不思議がる。
「ね、私も知りたいの。
これから、聞くつもり。
浩介も一緒に聞きに来る?」
「いいの?」
「もちろんよ。
二人で頑張ったんだから。
さ、行きましょう。」
二人は肩を並べて、乙葉の家に向かって行った。