マツが小倉に舞い戻ってきた-3
「魚町も久しぶりやなぁ」
いろんな商いをしている店が並んでいる魚町を松金は横柄な態度で歩いていた。
「よぉ、姉ちゃん別嬪やなぁ」
若い女を見れば尻を撫で歩いている。触った男がマツだとわかれば何事もなかったように女は立ち去る。
女の尻を触り歩いていれば、朝から無性に女を抱きたくなった松金は昨夜、訪れた女郎屋を再び訪ねた。
「おい、女将。昨日の姉ちゃんを呼んでくれないか?」
いくつもの部屋が用意されているはずのない部屋も昨夜と一緒だった。
「マツさん、続けてきてくれてありがとう」
茶を松金の前に置いた。
女郎屋で茶を出すなんてことは、盆と正月が一緒に来るようなものでありえないお茶をすすっている松金は、タバコ盆を手前に引き寄せタバコを口に咥えると、女郎がマッチを擦った。
「あんたの、名前は?」
「貴美子と言います」
言いながら襦袢の紐をほどこうとしている女郎を抱きしめ唇を合わせた。
女郎屋で唇を合わせることはご法度なのだが、しかし相手がマツだとあきらめるほかないのだが、この貴美子は松の腕から逃れようと、合わされている胸の間に手を何とか入れようと身体を捩じり続けている。
だが、抵抗も虚しく女郎は安いせんべい布団の上に組み伏せられた。
「すまん、ネエチャン。どうしても・・・・・・」
「マツさん、今度したらいくら松金さんでもお断りだよ」
この時には、松金の手が襦袢の紐にかかり解かれていた。
「ネエチャンのこの白い肌。そして、しっとりと手になじむ肌触り何とも言えんなぁ」
松金は女郎の胸に顔をうずめ呟いた。
荒くれだった指で女郎の片方の乳房を揉めば、一方の乳房に唇を当て舌先で乳首の先端を転がし始めた。
女郎の細い腕が松金の肩に回されるまでに、それほどの時間は要しなかった。
「あぁ、・・・・・・マツさん・・・・・・いいわー」
襦袢の肩襟を左から抜けば、同様に右肩からも襦袢の肩襟を脱がせた。
硬くなって松金の兵児からはみ出している一物を、女郎の陰毛に隠されているワレメに当てられてはいるが、挿入を試みるではなく女郎への愛撫だった。
松金は腰を少し浮かし、ワレメ付近を一物で撫で始めた。
いくら手や口を操っての愛撫が巧くても、女郎を本気にさせるにはたやすくないことを松金は心得ている。
それでも松金は手を緩めることなく女郎への愛撫は続けられる。その努力も報われようとしている。
女郎の腰が松金の一物を求めるように妖しく動きはじめた。
「ねえマツさん、入れなくてもいいの?」
やおら松金は腰を高く位置し女郎のワレメを目指して挿入を落ち着き始めた。
「あぁ、いいわー・・・・・・」
女郎の爪が松金の背に立てられた。
女郎の声を聞いた松金は奥まで突き刺していた一物をヴァギナの襞にこすりつけるようにして徐々に引いていった。
「マツさん・・・・・・あぁ・・・・・・いいわー」
気をやってはいけない女郎貴美子の声からも、歓喜の色合いを浮かべた喘ぎがようやく漏れるようになった。
松金は女郎の胸に倒れ腰を振り続けられた。
「マツさん、わたし・・・・・・もう・・・・・・」
勝ち誇った松金は一物から出る「ドク、ドク」という排出音を感じなら女郎の身体に植え付けた。
女郎の身体から降りた松金はタバコ盆を引き寄せ、一服すると天井に向かい紫色の煙で小さな円を描いた。