12月:クリスマス-6
イベントとして降る雪は
時間で決められていて、ハラハラと終わりが近づいていた。
最後のひとひらがゆらゆらと落ちて来るのをつかもうと
秋田さんと握っていない、もう片方の手のひらを上に差し出す。
「ほのかちゃん」
何気なく呼ばれた名前は本当に自然体で
「好きだよ」
それを伝えるのが当たり前かのようにつぶやく。
最後の雪が手のひらに舞い落ちた瞬間―――
「俺と結婚を前提に付き合ってほしい」
秋田さんのその言葉は私の耳に届いて・・・胸ではじけた―――