夫 雅樹の交友と交遊関係-3
「子どもたちも?」
「ああ、ぼくはいずれは家族ぐるみの付き合いをしようと思っている。
それは山岸も同じだ。
もちろん、チーちゃんもそれを望んでいる。
山岸のところのお嬢さんももう17才だそうだ。
いずれはそれぞれ4人家族、8人で楽しめたら最高だなっていう話さ。」
夫の目の前で、夫の親友の息子である悠一に抱かれる………。
自分の目の前で、夫がかつての親友である千遥を抱く………。
夫の目の前で夫の親友に抱かれる………。
二組の夫婦が互いのパートナーを換えてセックスを楽しむ………。
それだけでもどんなに刺激的なことだろう。
優や誠との4Pなどとは比べ物にならないほど、
淫らで刺激的なものになることは間違いなかった。
しかし、夫が考えていることはそれだけではないというのだ。
互いの子どもたちもそこに加えようというのだ。
どちらも年頃の兄妹だ。
兄妹で交わり合う近親相姦。
そしてパートナーを換えていくうちに、
当然、母と息子、父と娘が身体を重ねるチャンスも生まれるはずだ。
(わたしが恵介に抱かれる?そして、雅樹が美沙希を抱く?)
芽衣は想像しただけで眩暈がしそうになった。
なんていう刺激的な、そしてなんという背徳的なプランだろう。
人として、そんなことが許されるのだろうか。
いや、許されないことだからこそ、
日常的な、常識的な生活からは考えられないような興奮と刺激が生まれるのだろう。
「ねえ、雅樹。それって………。いけないことなんじゃないの?」
芽衣はごく当然の質問をした。
雅樹の答えは簡単だった。
「いけないからこそやってみたいってこと、あるんじゃないか?
そして、お互いがそれぞれ納得しているのであれば誰に迷惑をかけるわけじゃない。
芽衣。君は反対かい?」
「あのね。神様が許してくれないだろうなんていうことを言うつもりは全くないの。
あなたの言うとおり、全員が納得していれば誰の迷惑にもならない。
でも、わたしはもっと別のことを考えていたの。」
「別のこと?」
「ええ。あなたとのセックスは素晴らしいわ。いつもわたしを天国へ導いてくれる。
悠一とのセックスも、新鮮な感覚と若々しい荒っぽさがあって、刺激的なの。
誠や優との4Pも、あなたの目の前であなたに見られながらすることで、
わたしはまた新しい、素晴らしい時間を過ごすことが出来たわ。
セックスって素晴らしい。
今では本当にそう思うの。
わたしはレイプされてバージンを無くした。
しかも、3人の男たちに襲われて。
そう、親友の千遥も一緒に襲われた。
真奈美もその様子を見ていた。
一時は死のうと思ったくらい、セックスなんて嫌だった。
汚らしいものにしか思えなかった。
でもね、いろいろな出会いが、いろいろな経験が、わたしを成長させてくれた。
レイプされたことでさえ、今では真正面から受け止めることが出来る。
これは、真奈美のおかげよ。
真奈美がセックスのすばらしさを命に代えて教えてくれた。
そして雅樹と出会い、結婚し、毎晩のように愛された。
だから、セックスは、今のわたしにとって一番大切なものだと言えるわ。
そんな素晴らしい時間を、最愛の人と共有できることって、何にも代えがたいわ。
ねえ、どうしてそんな素晴らしい時間を、家族で共有してはいけないの?
愛する息子や愛する娘と、なぜ、別々にいなければいけないの?
素晴らしい時間を、素晴らしいセックスを、最愛の家族で共有できるなんて。
雅樹。それこそ、わたしの望む最大の幸福だわ。
いいのよね?あなたの目の前で、恵介に抱かれて。
見せてくれるのよね?あなたが美沙希を抱くところを。」
「ああ。芽衣。君の言うとおりだ。
最愛の家族と、一番感動的な過ごし方ができるなんて最高だ。
よし、さっそく実現に向けて話を進めていこう。
ただ、何度も言うように、段階を踏むことが大事だと思う。
恵介にも美沙希にも、無理を強いるのではなく、きちんと納得させることが大切だ。
そのためには少しくらい時間がかかっても仕方ないさ。
大丈夫。ぼくたちの子どもだ。
それなりの血は引いているだろうし、それなりの環境にはいるはずだ。」
雅樹は性に関わる部分を一切タブー視せずに子育てしてきたことを思い返した。
(そう、子どもたちに変な隠し立てはしてこなかった。
おそらく、ぼくたちのセックスを陰で見ていたこともあっただろう。
なにも恥ずべきことをしているわけではないのだから、隠しても来なかった。)
「頃合いを見計らって、ぼくから話そう。」
「ううん。一緒に話しましょ。大切なことよ。家族の未来に関わることだもの。」
「そうだね。じゃあ、ぼくはまず、山岸に連絡をしてみるよ。
あ、そうそう。この話を進めている最中は、悠一と会うのは………。」
「ええ。わかってるわ。いまさら二人きりである理由もないし。
それに、あちらの話の進め方もあるでしょうから。」
「じゃあ、事が成立するまでは芽衣はぼくひとりで我慢するっていうことかな?」
「あら、じゃあ、雅樹は会社の後輩たちとも会わないっていうことでいいのね?」
「あ、いや、それは家族間の問題とはちょっと違う………。」
「いいわよ。わかってる。雅樹には雅樹の世界や付き合いがあるものね。」
「いや、別にそう言うわけじゃないが…。」
「ううん。新人研修の一環で、若い娘たちを相手にしなきゃならないでしょ?
いいのよ。その世界は続けていても。
ただ、いずれ、その娘たちにも加わってもらえるような関係をつくっていきましょ。」
「芽衣。君の方が壮大な計画を持っていそうだね。」
「そうね。それほどセックスは素晴らしいものだっていうことよ。」