[お隣の奥様は女子高生…?]-2
『……チッ…誰だよ、こんな時に……』
テレビの画面の中では拉致された女子高生が、雁字搦めに拘束されて肛門までも姦されようとしている最中であった。
芦澤の好物の責めが始まったタイミングで鳴ったチャイムの音に苛立ちを覚えながら、それでも部屋から出て階段を下りていく。
宗教の勧誘だったら思いきり茶化してやろう。
何かの営業だったりしたら、揚げ足を取って言い負かせてやろう。
コツコツと築いてきた社会的地位を失った芦澤は、燃え尽きたように自堕落な生活に浸りきり、その性格もすっかり捻じ曲がってしまっていた。
『はい。どなたです…か……!?』
玄関のドアを開けた芦澤は思わず固まってしまっていた。
綺麗な身なりをした二人組はその手に熨斗紙のついた箱を持ち、爽やかに笑っていた。
「お忙しいところ突然伺ってすみません。今日から隣に住みます小野原と申します」
挨拶から察すれば、隣の新築に住む夫婦なのは間違いないだろう。
『だろう』と思う理由に、その女性があまりに幼く、そして小柄だったからだ。
二重瞼の目はやや垂れて見え、濃い目の眉毛は緩やかに弧を描いている。
丸みを帯びた鼻のラインは子供のようでもあり、キュッと口角の上がった薄い唇がその幼さに拍車をかけていた。
艶やかな黒髪は緩やかにカールが掛かり、それは背中の真ん中に達する程まで伸ばされていた。
なんとも可愛らしいタヌキ顔の女性だが、その丸い顔から下の身体はどうだ?
白いブラウスの胸のボタンが弾け飛びそうなくらいの見事な豊乳は、くっきりとブラジャーの刺繍柄を浮き立たせているし、ライトブラウンのタイトスカートは、肉感に富む太腿のラインを強調させている。
『あ…ああ、隣の家の……いや〜若いのに立派な家を建てましたね』
ジロジロと見るわけにはいかず、しかし視線は女性の方に向かってしまう……芦澤は挙動不審になりながらも無難な言葉を選んで応対した。
男の方は20代後半くらいだろうか?
もしかしたら兄妹かと思ったりしたが、女性の左手の薬指にキラリと光る指輪を見つけた……。
「いろいろご迷惑をおかけするかもしれませんが、宜しくお願い致します」
『い、いえいえ。こちらこそ宜しく』
会釈をして二人は玄関の外に出た。
芦澤は靴も履かずにドアの覗き穴に顔を近づけ、あの女性の後ろ姿を凝視した。
『……す、凄え身体してんな、あの女…ッ』
唾液腺がチクチクと痛む。
なんとなればスカートに浮き出た尻肉の二つの山が、歩くたびにイヤラしく跳ねているのだ。
口の中はあっという間に唾液でいっぱいになり、ゴクリと飲み込んでも次から次へと溢れてくる。
あの尻肉を思い切り握ってやりたい。
割れ目に顔を埋めて匂いを嗅ぎ、ベロベロと舐め回して味覚を楽しみたい。
人生の転落を味わせた部下の女が振り撒いた艶めかしい媚びなど、いま目の前に見えている後ろ姿だけで一蹴させられるだけの女性が、隣の家に住むことになったのだ。
芦澤の息は弾んでいる。
まだ何も起きていないのに、既に顔は紅潮して崩れてしまっている。
(く、クソ!穴から外れるッ!)
二人揃って左に曲がり、覗き穴の視界から外れた。
ならばと芦澤は急いで二階の自室に戻り、カーテンの隙間からバレないように見下ろした。
『逃がさねえぞチクショー……ひ…ヒヒヒ!』