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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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11月:酉の市-4


本当に久しぶりに行く酉の市だからネットで下調べをして
小川くんとエントランスで待ち合わせる。

久しぶりに会った小川くんにドキドキして
「地下鉄で行こう」
と言う私に
「うん」
と手を差し出した。

私はその手に自分の手を重ねて、小川くんの手に包まれる安心感を感じる。

たった2駅のその距離は、お互いに何も話さず
ギュッと手をつないでいた。

阪東橋で降りると遠くでにぎやかな音が聞こえる。

「私も久しぶりなの」

ワクワクして小川くんを見上げると、小川くんは私を見て
「ほのかさん、子供みたいだ」
なんて笑う。

灯りと音に吸い寄せられて、酉の市がやっている通りに向かう。
「平日なのにすごい人だね」
「うん。酉の日、にやるから曜日は関係ないのよね」

パッと明るい通りに出るとずらっと向こうの方まで通り一面に提灯が並ぶ。

「すごいね」

両側には食べモノの出店よりも多い熊手の出店。

「熊手を買うお祭りなのよ。
熊手で来年1年間の幸福と健康と商売繁盛を掻き寄せるって意味だったと思う。
関東の冬の風物詩だよ」

小川くんは初めて見る光景に目をキラキラさせて
「日本っぽい!」
そう喜んだ。



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