その1 愛奴との戯れ -2
私に肩を抱かれながらさつきは言った。
「あのね、ご主人様、私ね、今度の週末にお茶会があるんです」
「へえ、さつきはお茶なんかやってるんだ」
「ええ、まだ二年ほどなんですけれど、お茶の作法って結構決まり事が多くて、
始めは戸惑っていたけれど、最近ようやく慣れてきたんですよ」
さつきは甘えた声で言う。
「へえ、そうなんだ、どのくらい?」
「どのくらいって?」
「まあ、値段とか、回数とか……」
「私の場合は、月に2,3回で二万円位かしら」
「ふうん、そうか、でも少し高い気がするんだけれどな」
「そうですね、普通は一万円位がよくあるみたいなの、
カルチャー教室みたいなところなら」
「なるほど……なんでさつきがお茶なんか?」
「お友達の紹介なんです、さつきにもやってみないかって」
「へえ、でもお茶って何が楽しいのかな?」
「そうですね、楽しいって言うよりも、心が落ち着くっていうのかしら」
「なるほど、それで?」
「でも、決まり事が色々とあるけれど、それをマスターすれば大丈夫なんですよ」
「そんなもんなんだ、ふーん」
「ところで、ご主人様は、興味ありますか?」
「そういうのを一度は覗いてみたいと思っていたけれどね」
「なら、今度、一度見学に来てみませんか?」
「見学?」
「ええ、先生は女の人だけれど、ご主人様好みの凄く綺麗な人ですよ、
でも少し厳しい先生だけれど」
「えっ、厳しいのかい、でも綺麗なんだよな」
「そうです、でも興味あるでしょ?」さつきは思わせぶりに私をみた。
「うん、そうだね」
「ご主人様、美人っていう言葉に弱いですものね」
「おいおい、さつきはご主人様を虐めるのかい」
「だって、さつきはいつもご主人様に虐められてるし、うふふ」
「そうさ、さつきはご主人様の性奴隷だしな」
「はい、さつきは始めにご主人様に『専属の性奴隷』にしてあげると言われた時、
ドキドキしましたが、ようやく慣れてきました」
「さて、それでは一度、見学に行ってみようかな、さつきとなら安心だし」
「わあ、嬉しい! ご主人様、じゃ今度、見学に来てみます?」
「おいおい、気が早いなぁ、まぁしかしお願いしてみるか、勉強にもなるしな」
「わかりました、今度の週末に行きましょう、予約を取っておきますね。
それと、もう一つあります。お茶の先生は綺麗だけれど
ほとんどの男性ならぐっとくると思います、でも超厳しいです。
それで通い詰める男性も少なくないようですよ。でも楽しみ、うふふ」
「なるほど、美人でまた超厳しい人だと聞くと、一度見てみたいな」
さっきからさつきは思っていた。
(そうなると、Sのご主人様と、美人の厳しい先生とどうなるのかしら?)
そう思うとワクワクするさつきだが、そのことが後で想像もつかないことになるなど
さつきはまだ知らなかった。