改造バイク 高速まで-2
まず、一番の特徴は、その安定走行性。
倒れにくい。
なんてったって、3輪車だ。
多少、シートの上で動いたって、倒れたりはしないし、
直線だったら手を離したって、それほど心配ない。
手は、ハンドルを握るためだけについてるんじゃないんだぜ。
サスペンションは、スイッチ一つで「Hard」から「Soft」まで
5段階で調整できるようにしてある。
ずいぶん金はかかったけどな。
つまり、路面状況や気分に合わせて乗り心地を変えられるってことさ。
高速道路を走る時。オフロードを走る時。
シートから飛び出しそうになるほど揺れたり、
細かい振動が伝わってきたり。
車やバイク、振動がない方がいい、とは限らないんだぜ。
エンジンの振動だって、同じことだけどな。
な?想像できるだろ?
次が、最大のポイント。
「電動リクエストシート」について説明しておこう。
俺と真弓の二人で乗るのが基本だから、
シートは結構課題が多かったんだ。
だから、時間と金をかけて、最善のモノを作ることにした。
それだけじゃなく、いろいろな工夫も凝らしてみたんだぜた。
基本構造は、シートの前と後ろが独立しているっていうこと。
つまり、それぞれのシートの高さや角度が、
電動でチューニング可能になっている。
真弓がドライバーで、俺が後ろ。
俺がドライバーで、真弓が後ろ。
それぞれ、運転スタイルも違うけど、一番の違いは体格。
シートの高さや角度が、前後で自由に変えられたら、
より安定した、安全な走行ができるだろ?
しかも、シートの位置や角度を変えれば、
前後に座った俺たちの体の密着度も変わる。
密着する場所だって、いろいろと変えられるだろ?
ほら、想像してごらん。
あんな場面、こんな場面。。。。
駐車中でも、いろいろと応用が利くと思わないか?
他にも、スロットルを操作しなくても、
一定の速度で走ることのできる「オートクルーズ」。
搭載しているナビゲーションシステムにも改良を加え、
目的地の検索がより詳細にできるようにした。
例えば、「夕焼け・見晴らし・人目がない」
といったキーワードを入力することで、
お好みの場所へと案内してくれる。
「ラブホテル・豪華設備」とか「「露出目的・SEX」とか。。
これ以外にも、特に名前はついていないけれど、
役に立つもの満載の「SE−X」だ。
そうそう、忘れるところだった。
ついでにスーツのことも、話しておこうか。
まずは素肌の上に着ることを前提に、素材の選択をした。男女ともね。
結果的には、伸縮性のある素材を使っているから、
体を動かしやすい、ってこと。
運転中はもちろん、それ以外でも、
動きが自由っていうのはいいと思わないかい?
そうそう、スーツは一部分だけ、
あえて通気性の悪い素材で作ってみたんだ。
どこの部分の通気性が悪いかって?さあ。。
どこだったら、どんな結果になるか。。。
これは、いろいろと試してみた結果、
迷いに迷って一つには絞れなかったんだ。
だから、同じ型のスーツが何着かずつ、できちまった。
全体に通気性がいいモノから、通気性の悪いもの。
あとは極限まで薄い素材を使ったもの。
色も黒だけじゃない。
思い切って、真弓の方だけ、極薄素材で、白も作ってみた。
これは、その日の気分で、着替える、ってことかな。
今日はとりあえず、ふたりとも、
「あえて一部だけ通気性の悪い」素材で作った、
上下一体型の黒のスーツ。
おっと、忘れてたけど、
このスーツのもう一つの特徴は、ファスナー。
布地には絶対咬まないよう、工夫がされている。
素早く脱ぎ着ができる、ってことは、
場面によっては重要なことだ。
それと、このファスナー。
首の方からお尻の後ろの方まで、開くことが可能。
それだけじゃなくて、後ろからも、開け閉めができる。
さらには途中なん箇所かは、
その部分だけを開けることが可能の優れモノなんだ。
スムースに、どちらからでも開け閉めが可能。
すべて開くもよし、一部だけ開くもよし。
一部開くだけで、済ませたり楽しめたりすることもあるだろ?
他にも、ヘルメットやレーシンググローブなんかにも、
ちょっとした細工と言うか。。
まあ、それは、その都度、伝えていくよ。
おっと、そろそろ、高速の入り口だ。
途中、渋滞もなさそうだし。
途中のSAまでは、俺が運転していくぜ。