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最後の、最高の学園祭
【学園物 官能小説】

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愛依の決意-1

  ・・・・・3C 前日のクラス話し合い 回想・・・・・

「改めて聞きます。 3年C組学級委員長 長野愛依さん。
 あなたのクラスは、学園祭で何をしますか?」

「あの。。みんなの話を、聞いていて。。
 お、思った。
 あの。。その。。。
 うまく言えないけど。。。
 あの、み、みんな、全然、違うんだって。」

「違う?何が違うっていうんだよ?」
「黙って聞きなよ。」

「あの、わたしが思ってた、のと、
 みんな、違うんだなって、思ったの。」

「わたしは、みんなのことが、すっごくうらやましかった。
 いつでも、自分の思うこと、思い切ってやってて。
 いつも、大きな声で、みんなのこと、笑わせて。。
 もちろん、しょっちゅう滑ったりとかもしてたけど、
 でも、クラスのみんなも、ちゃんとそれ、わかってて。
 なんて言うんだろう。
 あ、この人、クラスのみんなに、ちゃんと認められてるんだな、って。

 菅田君は、先生には逆らうけど、すごく友達思いで、
 健君は、ホントに優しくて、
 旬君も倫也君も、二人とも静かだけど、自分の考え、しっかり持ってて、
 ジュンコは、絶対に変わらないものを、
 心の中に持っていて、いつも堂々としてるし、
 鈴ちゃんは、絵の才能があって、うらやましかったし、
 華ちゃんは、クラスの空気、いつも読んで、和ませてくれて。」

「みんな、自信もって、生きてるんだな、って思ってた。
 自信がないのは、わたしだけだ、って。」

「オレ、言われた?名前、入ってた?」
「ば〜か。いつも、大きな声で、みんなのこと、笑わせて、もちろん、しょっちゅう滑ってたりとかもしてた、がお前だよ。」
「なんだ。そっか。もしかして、オレ、忘れられてんのかと思っぜ。」

「でも、松先生に、
 お前たちらしい本音を言えって言われてから、
 流星君も、鈴ちゃんも、華ちゃんも、 
 あのジュンコでさえ、
 今まで、わたしが全く想像していなかった、
 ホントの自分?本音の自分?
 そんなことを 話してくれて。

 あ、わたしも、ちゃんと、自分の本当のことを言う、
 言える勇気を、持たなくちゃって
 そう思って。。。

 男の子たちのことももっと知りたいと思った。
 パンを焼くのが得意、とか、歌がとか、似顔絵がとか、
 それも意外だったし、驚いたけど、
 流星君が、恥ずかしながら言ってたことみたいな、
 そんな悩みも、きっとあるんじゃないかな、って。
 それもいつか、聞いてみたいなって。

 わたし、男の子のこと、知りたいと思ったのは、
 昨日が生まれて初めてだった。

 ずっと、男なんていなければいいって、
 ずっと、思ってたし、思ってきたし、
 男の子の得意なことや悩みなんて、聞きたくもなかった。

 でも、昨日、初めて思ったんだ。
 ああ、わたし、本当は、みんなのこと、みんなの本当のこと、
 何も知らなかったんだ。知ろうとしてこなかったんだって。
 でも、ちゃんと知らなくちゃいけないんだ、って。
 もっともっと、知りたい、って。」

「うちは、父と母が、とっても仲が良くて、
 わたしの大好きなお母さんは、いつも、お父さんの自慢ばかり。
 お兄ちゃんは、とっても頼りになってやさしいし、
 お姉ちゃんの旦那さんは、親思いで子ども好きで。

 わたしの周りにはそんな男の人ばっかりなのに、
 なんで、どうして、わたしだけ、
 あんな、あんな、思いを、、」

「愛依。もういいよ。やめな。」
愛依の話を遮ったのはジュンコだった。

「もう、十分にわかったよ。愛依の気持ち。
 みんなともっと仲良くなって,お互いの本音を、、、」

「ジュンコ。言わせて。最後まで。」
「だって、愛依。」
「ううん。わたし、変わるから。変わりたいから。」

ジュンコは静かに座った。

「中学2年の時だった。
 わたし、部活の帰りに、
 3人の、男の、、、
 3人、の、、男子中学生に、、
 お、おそ、わ、れて。。。
 レイプされて。

 大声出して、逃げようとして、
 でも、手足、縛られて、口もふさがれて、
 近くの公園に、連れ込まれて。。
 
 制服も、下着も、ズタズタにされて。

 あんなに愛されてるお父さんみたいな、、
 あんなに優しいお兄ちゃんみたいな、
 あんなに子ども好きの、
 素敵な素敵な男の人だっているのに、
 
 なぜ?どうして?
 
 あの日から、
 わたしは、男の人が怖くなった。
 話せなくなった。
 
 学校にも行けなくなった。
 部屋にこもって、ずっと、 泣いていた。
 あの時のことを、全然忘れられなくて。

 どうしてわたしだけが、って、思い続けてた。
 父や兄のことも、避けるようになってた。

 中学を卒業する時、
 父と母が、せめて高校だけは行ってほしいからって、
 わざわざ家を転居してくれて、
 この高校に通うようになった。

 わたしも 心のそこでは
 このままじゃいけないって思い始めていたから、
 どうにか、学校には通うようになったの。

 それに、電車の中とかでも
 この学校の制服を着ていれば、
 ほとんどの男が近寄って来なかった。
 
 クラスには、いろいろな問題起こす子もいたけど、
 わたしに何か言ってくる子はいなかったし、
 自分の机で じっとしていれば、
 1日は過ぎていった。

 みんなから 相手にはされなかったけど、
 それが、わたしの安心できる場所だった。

 誰からも、興味をもたれないように、
 そのためには
 誰にも、興味をもたない

 それがわたしの、この高校に入った時に 
 心に誓ったことだった。


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