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最後の、最高の学園祭
【学園物 官能小説】

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愛依の決意-2

 でも、高1の夏、
 突然、ジュンコに話しかけられた。
 正直、驚いた。
 今よりも長い髪で、今よりも長いスカートで、

 何かされる、って思った。

 ジュンコ、結構厳しい口調で、聞いてきたの。
【あんた、長野愛依、でしょ?
   あんた、〇〇市の××中学、出身じゃない?】
 
 なんで、この人、わたしの出身校、知ってるんだろう。
 ふと、あの日のことを思い出して。
 
 あのことも、知っているのだろうか。
 そのことで、何かされるんじゃないだろうか。

 どうしよう、どうしよう。
 わたし、気が付いたら、
 泣きながら、なぜか、ごめんなさい、ごめんなさいって、
 ジュンコに謝っていたの。

 そしたら、ジュンコが、
 わたしの手を取って、
【あんたのことは、わたしが絶対に守るから。】って言った。

 何のことだろう。わたしを守るって。
 どうして、この人が?
 
 ジュンコが、ゆっくり、
 優しい声で教えてくれた。

 【あいつらのことを知っている】って。
 【前に、自慢話をしていた】って。
 【お前ら、女の敵だ。許せねえ。】って、
 【ぼこぼこにしてやった】って。

 【あんたをあんな目に合わせたやつらと、
  自分が、同じ中学の出身だってことが、恥ずかしい。
  あの中学で番張ってきたのに、
  あいつらに、あんなこと、させてしまって、ごめん。

  いくら、あいつらをボコったところで、
  あんたの苦しみは消えないよな。

  許してくれとは言わない。
  でも、あんたの傍にいて、
  あんたを守るから。
  もう二度と、あんな目に合わないように。】って。

 その日から、ジュンコは、
 いつもわたしの視界の中にいた
 ジュンコも いつもわたしを視界に入れていてくれた

 ジュンコがいたから、
 わたしは、ここまで 来られた。
 高校生活を過ごすことが できた
 生きてくることが できた

 ごめん。めったに話さないキャラだけど、
 一度話始めると止まらないんだ。わたし、中野愛依はそんな女。

 で、結論。

 ねえ、もっとわたしたち、お互いを知らなきゃだめだよ。
 知ろうとしなくちゃ、伝えようとしなくちゃ、
 せっかく出会ったのに、
 せっかく同じクラスになったのに、
 もう二度と、同じ時間を過ごせないのに、
 もう二度とないチャンスなのに、

 黙っていたり、遠慮してしまったり、
 空気読めずに暴走した方が
 空気読みすぎて何もできなくなっちゃうより、
 いいと思わない?

 将来を夢見て、夢をキャンバスに描くより、
 今、目の前にある素晴らしいものを見た方が
 いいと思わない?

 得意だ、好きだ、っていうのなら、
 それを知らせなきゃ、伝えなきゃ、
 意味がないと思わない?

 自分の心の中にあるものをさらけ出して
 人の心の奥底にあるものを慮って、
 もっともっと、おい互いを知って、
 もっともっと 仲良くなって、
  かけがえのない友達と、 
  かけがえのない時を過ごして
  かけがえのない思い出をつくる

  そうすることが、
  明日の自分を作ること。
  だから、わたしたちのクラスのテーマは

  共に創ろう
    かけがえのない自分を
       かけがえのない友を 
          かけがえのない思い出を

「その準備のために、松先生。わたしたちに時間をください。
 わたしたちにとっては学園祭当日に何をするかが大切なのではなく、
 学園祭当日までに何をするか、それが大切なんです。」

「この3Cの仲間と一緒に、
 何一つ隠すことなく 何一つ恥ずかしがることなく
 自分の欠点も 自分の長所も、
 全てをさらけ出して
 理解し合える時間、機会、それが必要です。」 

「誰かに支配されたり命じられて動くのではなく、
 自分の意志で考え、悩み、選択し、実行していく、
 それができる時間と場所を、わたしたちに与えてください。」

「学園祭当日に何をするか、
 あるいは、何もしないのか。
 それは与えられた準備期間の中で考えます。

 そう。そのために、特別に、合宿させてください。
 3Cの仲間と寝食を共にしながら、
 互いのコミュニケーションや相互理解を深め、、、、
 止まらなくなります。
 先生。許可、願います。」

松は確認するように愛依に聞いた。
「学園祭当日に、何もしないかもしれない?」
「はい。」
「そのことは、準備期間中、つまりあなたの言う合宿中に考える?」
「はい。」
「3Cのメンバーが寝食を共にし、何も隠さず恥ずかしがらず、自分をさらけ出し、理解
を深めていくための時間と場所が欲しい?」
「はい。」
「学園祭当日は10月×日。と言うことは、明日からその前日まで合宿をするとすれ
ば。。。10日間の合宿、と言うことですか?」
「はい。」
「誰かに支配されたり命じられて動くのではなく、と言うことは、その10日間は、言ってみればあなたたちの話し合いによる自治によって過ごすということですか?」
「はい。」
「最後に一つ。中野愛依さん。あなた自身の、その合宿の、個人的な目標は何ですか?」
「それは。。」
「それは?」
「それは。。」
「それは??」

「それは、3Cの男子たちのことをよく知って、、、
 あ、男性って素敵なんだ、男性っていいなと思えるようになること、です。
 たぶん。。いや、絶対。うん。絶対、です。」

「わかりました。3Cの皆さん。今の中野さんの発言を、
 この3Cの総意として受け止めさせてもらってもよろしいですか?
 答えは1時間後。職員室で待っています。」


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