本番に向けて 混乱-2
「わかりました。では、今日1日だけ。
みなさんと行動を共にさせてください。
さっき、長野さんに予定を見せていただきました。
夕食の後、キャンプファイヤーがあるようです。」
「お〜、やった〜。」
「すご〜い。なんかスペシャルじゃ〜ん。」
「ワイワイガヤガヤ」
「わ〜。小学校の時以来かも。。。」
「えっ?中学でもやらなかった?
「停学、食らってたし。。」
「その前の夕食まで、一緒に過ごさせてください。
その時に、皆さんが決めてくださって結構です。
その後も、参加させてくれるか、抜けるべきか、を。」
「いんじゃねえの?それで。」
健が言った。
「そうしたいっていうんだから、そうさせてやりゃ、いいじゃん。」
「ああ、オレもそう思う。
もし、俺たちを裏切るようなことがあったら、オレがセンセを叩き出す!」
「って、勝ち目、ねえんじゃない?昨日の松センセ、見ただろ?」
「大丈夫です。わたしが、皆さんと一緒にいるべきないと判断した時は、
自分からここを出て行きますから。」
話はまだ続きそうだった。
「は〜い。じゃあ、この話はここまで。」
愛依がいきなり、松先生とみんなの間に割って入った。
「なんだよ、長野。いきなり。」
「はい。皆さん、次の行動に移る時間で〜す。
各自、着替えて、1時間後にこのホールに集合です。
部屋割りはここに貼っておきま〜す。」
「なんか、長野、張り切ってね?」
「って言うより、ちょっと強引だよな。」
「ああ、松先生の話、結論出ないうちに、打ち切った感じだよな。」
「ま、いっか。さて、部屋割り部屋割り、と。」
「おめえとだけは同室、ごめんだぜ。」
「ハッ、こっちこそ願い下げだぜ。どれどれ。。。
って、えっ?マジかよ。。」
特別合宿 部屋割り 第1日目(〇月11日開始時〜12日朝食終了まで)
1回 ホール レストラン 浴室 見晴らしの湯(露天風呂付)
洞窟の湯 (露天風呂付)
201号室 ツイン 加藤 健 白木 華
202号室 ツイン 菅田 将暉 広瀬 鈴
203号室 ツイン 志尊 旬 美原ジュンコ
204号室 ツイン 中町倫也 中野 愛依
205号室 ツイン 横須賀流星 松 たか代
2日目以降、部屋割りは毎日ローテーションします。
301号室 トリプル↗ 部屋のローテーションが終わった段階で
302号室 トリプル↗ 改めて部屋割りを決め
303号室 トリプル↗ 使用します。
401号室 大広間
501号室 パーティールーム
2日目以降は、随時発表します。 合宿実行委員長 長野愛依
空欄だった205号室に、松 たか代の名前。
これは、たった今、書き足しされたのだろう。マジックがまだ乾ききっていなかった。
「おい、これって、マジかよ?」
「おいおい、なんかの間違いだろ?」
「ねえ、これって、あり?」
「ありなんじゃない?」
「健と同室〜?お暇、いただきま〜す。」
「松先生と一緒?オレ、死んだ。」
部屋割り表の前は、大混乱になっていた。
メンバーの騒ぎをよそに、長野一人が淡々と事を進めていく。
いつの間にか、部屋割りの横には日程表までが張られていた。
第1日目 メインテーマ:互いを知る
予定
10:00〜 全体ミーティング B(1F ロビーにて)
13:00〜 昼食 A(1F レストランにてカレーライス)
14:00〜 部屋ミーティング B(各室・部屋間の移動厳禁)
15:00〜 全体ミーティング B(4F 401号室 大広間)
16:30〜 入浴 О(1F 見晴らしの湯使用)
18:00〜 夕食 B(1F レストランにてバイキング形式)
19;30〜 キャンプファイヤーB(野外ファイヤー場
雨天時は4F 401号室 大広間)
21:00〜 就寝準備 B(各室 部屋移動禁止)
21:30 消灯 О(各室 施錠確認)
23:00〜 就寝 О(翌日の行動を考えて厳守)
※ 第2日は 7:00 起床 8:00 A朝食です。
※ 第2日の予定は 朝食後に発表します。
「ねえ、部屋ミーティングって、ふたりっきりで話し合えってこと?」
「っていうより、なんで男女が一緒の部屋なんだよ。」
「書き間違えじゃねえの?」
「でも松先生がマジックで書き足してあるってことは、
他の部分はそのままってことだろ?
訂正するような箇所はないってことだ。」
「お前、頭いいじゃん。なるほどね。」
「ちょっと待ってよ〜。あの、AとかBとかって、何?」
「えっ?どれどれどれ?あ、ホントだ。AとBと、Оがある。なんだろう。」
「長野〜。あれ、長野、何処だよ?」
「あ、あっちだ。」
「長野〜。なんだよ、あの部屋割り。」
「そうよそうよ。なんでわたしが健と一緒なのよ〜。」
「あ、でも2日目はローテーションしますから。」
「あ、じゃあ、良かった、、じゃないわよ。」
「そうだぜ。なんで女どもと一緒の部屋なんだよ。」
「それに、あの、AとかBとかも、気になるんだけど。」
「あ、あれは、ドレスコードです。
この紙に書いてありますから、読んどいてください。」