投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ポーカーフェイスな彼
【幼馴染 恋愛小説】

ポーカーフェイスな彼の最初へ ポーカーフェイスな彼 0 ポーカーフェイスな彼 2 ポーカーフェイスな彼の最後へ

ポーカーフェイスな彼-1

「えっ!?ホンマに!?」『うん♪』
「いつから!?」
『一週間前から〜♪♪』
あたし、三浦成美、15歳。つい最近彼氏ができた☆
「ほぇ〜〜…野中って女に興味あったんや〜……てっきり……」
『黙って』
ホウキの先に手をのせ、さらにアゴをその上にのせながらマヌケな顔をしたマミちゃんの言葉を制してつっこんだ。
野中勇弥、この人があたしの彼氏で一週間前に電話で告白されて、つきあった……んだけど…
「三浦、ユウヤと帰らんの?」
『えっ、うん。なんか帰りに寄るとこあるらしくて…』
「そうなん?さっき俺んとこに一緒に帰ろて言いに来てんけど」
『……なんですとぉ!?』一瞬、そうなんだぁ〜と流しそうになったけど、考えてみれば昨日メールで一緒に帰ろうと言ったら、寄り道するからごめんと断られた。
しかも断られたのは昨日だけじゃない。この一週間つきあってるというのに電話もメールもこっちからしないと連絡をとらない。
まぁ学校で会うから別にイイと思うだろうけど、これがまた学校で同じクラスなのに話をしない。
……つきあってるのか?? 「アンタらつきあってるん」
ナイスなタイミングでマミちゃんがケラケラ笑いながら言った。
『つきあってるよ!!』
持っていたカバンをマミちゃんに軽くぶつけてあたしは勢い良く答えたが、本当につきあってるのか不安になってきた…
『なんか嫌やッ!ちょっと話してくる!!』
あたしは教室を出ようと走りだした。
「あっ、ユウヤ帰ったで。俺今日クラブの会議ある言うたら」
ステーーン!!……と、ずっこけはしなかったものの、ずっこける勢いだった。アイツはどうしてあたしに告白してきたんだろうか……ただ彼女という肩書きがほしかっただけなのか……でもそれならあたしじゃなくても……
『……帰ろ。』
「良い週末を〜♪♪」
マミちゃんが楽しそうにあたしを見送った。
――くそぉ〜〜!!
あたしは1人で家までの道を放心状態で帰った。

野中とは小学校から一緒でよく遊んでいた友達の1人だった。それが中学に上がると何に目覚めたのか女のコと話さなくなり、あたしとも機会がなければ話さなかった。
それでもクールに決めてる反面、八重歯があるので笑うとカワイイと女子の間では地味に人気があった。
そんなヤツがいきなり家に電話してきたかと思ったら、ぶっきらぼうに 「好きやからつきあってほしぃ」 と言った。
スキとかわからなかったけど、野中ならすぐスキになれそうだと思ったからあたしは即答した。
でもその後野中はあたしに 「つきあってること内緒にしといて」 と言い、意味がわからず 『…ん?』 と聞き返したあたしをムシして 「んじゃ…」 と言ってケータイの番号だけ告げて電話を切った。
結局何人かにはつきあってること言っちゃったけど、どうして秘密にしなきゃいけないんだろ…
『……さっぱりわからん…なんやねん、もう…』
ベッドに仰向けになってあたしは目を閉じて呟いた。

――気付いたら朝だった。『…あたしあのまんま寝て……って、誰か起こしてよッ!お風呂も入ってへんのにッ!!』
あたしは飛び起きて階段を下りてお風呂へ向かった。途中リビングの時計に目をやると、午前の5時30分を指していた。
5月の肌寒い朝風呂を済ませて、部屋に戻ると髪をバスタオルでふきながらケータイを開いた。


ポーカーフェイスな彼の最初へ ポーカーフェイスな彼 0 ポーカーフェイスな彼 2 ポーカーフェイスな彼の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前