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真奈美の性春
【学園物 官能小説】

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小学校高学年 その1-1

小学2年生の夏の夜の、衝撃的な体験から2年。
 真奈美は小学4年生になっていた。

 あれ以来、父親と母親に、特に変化はなく、真奈美は少し安心していた。 
 ただ、夜中にトイレに行くと、なんとなく、書斎の前にたたずむことが習慣のようになっていた。
 ある時は、隣に寝ている母親が寝室を出て、書斎に行くようなことがないか、夜遅くまで眠ったふりをしていたこともあったが、残念ながら、父と母のあの日のような行為に出会うチャンスはなかった。
 そのうちに、真奈美の記憶からは、あの夜のことが少しずつ消えていった。

 4年生になった真奈美は悩んでいた。
 クラスのみんなの話がなかなか理解できないし、学習については、どの教科もよくわっからなかった。
 ずいぶんあとになって知ったことだが、母親は、何度か学校の先生と真奈美の知能の低さや将来についての不安などについて相談し、カウンセリングの先生からは、真奈美を特別学級に入れた方がよいのではないか、というアドバイスももらっていたようだ。
 
 それでも、みんなと同じように過ごせれば、それだけで真奈美にとっては幸せなことだ、と考えていた両親は、真奈美の成績が悪くても、真奈美を責めるようなことは一度もなかった。むしろ、真奈美が毎日を楽しく笑顔で過ごしてくれることが一番、と考え真奈美と接してくれていた。

 真奈美は「お前はダメな子ね。」とか「もっとちゃんと勉強しなさい。」などということを両親に一度も言われることなく、小学校生活を過ごしていた。
 むしろ、≪人にやさしい≫≪何でもやってみようとする≫といった側面を、真奈美の良さと考え、いろいろなことに挑戦させた。

 クラスの仲間たちも、そうした真奈美の性格を、子どもなりに認めていたのか、一度もいじめの対象や仲間外れにされることもなく、真奈美は小学校生活を楽しんでいた。

 4年生になると、「宿泊体験学習」がある。
 真奈美は、親元を離れて宿泊などした経験はなかった。
 それでも、家を離れて仲間とお泊りをするということを楽しみにしていたが、唯一の不安が夜中のトイレのことだった。
 小学校4年になっても、真奈美は時々おねしょをした。寝ぼけることも多く、トイレと間違えたのか、書斎の中で用を足してしまうことも何度かあった。

 父も母も、みんなの前でその失敗だけはさせたくないと考え、
「体験学習を欠席した方がよいのではないか。」
と、担任に何度か相談に行った。
 担任は、
「心配しすぎもよくないと思います。それに、真奈美さんはクラスのアイドル的存在です。欠席したらみんな残念がりますよ。」
と笑顔で言った。
 その言葉に励まされ、父親と母親は真奈美を宿泊体験学習に参加させることにした。


 真奈美は、初めての宿泊にハイテンション気味だった。
 心の奥の方には心配事もあるのだが、見るものすべてが珍しく、その経験をクラスの仲間としているということが真奈美には新鮮で、嬉しくてたまらなかった。
 そのため、両親との約束を忘れ、真奈美は就寝直前にトイレに行くことを忘れ、眠ってしまった。
 
 恐れていた以上の事件が起きた。

 実は、真奈美のクラスには、つい最近転校してきたばかりの男子がいた。
 彼は転校してきた日に自己紹介で、自分の名を【斎藤敏明です】と名乗っただけで、そのあとはクラスの仲間と友達になろうとも、口をきこうともしなかった。
 それでも、担任の【友達を作るチャンスだよ。】という強い勧めもあり、体験学習には参加していた。

 そのため、入学当時から真奈美と接し、真奈美のことを理解していた他の級友とは、真奈美を理解することにおいても、真奈美への気遣いにおいても、かなりの差があった。

 その夜、学年の仲間との楽しいレクレーションや同じ部屋の仲間とのゲームを散々楽しんだ真奈美は、友達との【恋ばな】に夢中になり、いつの間にか眠ってしまった。
 夜中になり、真奈美は目を覚ました。
 強い尿意のせいだった。
 家ではなかなかこういうことはない。やはり初めての宿泊で、緊張していたのだろう。

 母親が出がけに、何度も何度も、
「寝る前には、ちゃんとトイレに行くのよ。夜中でも、トイレに行きたくなったら、ちゃんと行くのよ。」
としつこいくらいにい言っていたことを思い出し、真奈美は眠い目をこすりながら、布団を出た。

 トイレは部屋を出て、廊下をしばらく歩いたところにある。
 廊下からのトイレの入り口は男女一緒になっていて、洗面所を境に、右側が男子トイレ、左側が男子トイレになっていた。

 真奈美は、半分寝ぼけていたのか、気づかずに右側のトイレに入った。
 あまり見かけない便器が並んでいたが、さほど不思議にも思わず、5つ並んだ個室に入り、下着を下ろし、しゃがもうとした時だった。

 ふだん、真奈美は個室に入る時、鍵をかける習慣がなかった。というよりも、まだその習慣が出来上がっていなかった。
 突然、ドアが開いて、誰かが入ってきた。

 目の前に、男子が立っていた。
 斎藤敏明だった。
 真奈美は、自分がパジャマの下も下着も下ろしたままなことも忘れ、驚いて立ち上がった。
「きゃ。。。」
 真奈美が声を上げようとした瞬間、敏明の手が伸び、真奈美の口をふさいだ。そして、もう片方の手の指を口に当て、
「しーっ。声を出したら、ダメだよ。もう、みんな寝ている。起こしたりしたら、みんなが可哀そうだろ?」
と、真奈美の耳元でささやいた。
 真奈美も、そう思った。
 部屋のみんなも、盛り上がった初恋トークも終わり、見回りの先生に叱られ、ようやく静かに寝始めたところだ。

 真奈美は、自分が何をされているのか、まったくわからなかった。
 ただ、俊明の言うことはわかる。
 真奈美は、トイレの個室の中に入ったまま、黙って立っていた。


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