第3章 ただのマスかきオヤジ-5
ドキドキしながら見ていると、涼子がコップを見つめて首を捻るような仕草を見せた。きっと味に少し異変を感じたのであろう。その仕草に隆文は更に興奮する。なぜならその異変は自分の精子がもたらしたものである事間違いないからだ。自分の精子を涼子が感じ取った証拠だからだ。
(中村さんが俺の精子の味を認識した…!)
風俗でどんなに可愛い子に当たった時よりも喜びを感じた。首を捻りながらも、気のせいかな?、的にその後普通に飲む涼子に安心しながらも、何となく涼子と特別な関係になったかのような感覚を得た。
(コーヒーも服も俺の精子まみれになってるのになぁ、中村さん♪)
妙に気分が良く感じた。
その後、薬用リップは何の疑いも持たぬ姿で一日に何度か乾いた唇に塗っていた。
(俺の精子が中村さんの唇に塗り広げられてる…!)
見ているだけでたまらなくなる。ますます涼子とヤリたくなってしまった。
(ヤベェ、ムラムラが止まらない…。無性にヤリたくなって来た…。でもそう簡単に中村さん、ヤラせてくれないしな…。この際誰でもいい…ヤリてぇ…!)
こんな日に限って今のところ誰からも今日は声がかかっていない。かと言って今まで自分から声をかけた事はないし、これからも自分から声をかけるのは控えるつもりだ。しかしこの欲求はオナニーでは消えるものではない。誰かとセックスしなければ収まりそうもなかった。
(無理矢理犯しちゃおうかな…)
ふと涼子をレイプしてしまう事を考えた。が…
(いやいや、そんな事しちゃいけない!クソ、でもヤリてぇ…)
そこは一定の理性は保っている。一番いいのは合意の上で涼子とセックスする事だが。これまでずっと拒否られているのに、今日OKを貰える可能性はゼロに近い…いや、ゼロだ。それは諦めるしかなかった。
(仕方ない、誰からも声がかからなかったら残業してみんなが帰った後、また中村さんの私物でオナるか…。今日は机周りでヌクか…)
特に一日中尻に敷かれているクッションに目をつけた。新たなオカズに、それはそれで興奮しそうだ。隆文は事務所でオナニーする事を決めた。
定時になると殆どの社員が帰って行った。18時半頃帰社した穂花は、用事があるからと言ってすぐに帰って行った。
(早くみんな帰らないかなー。)
密かにソワソワしながら一人きりになるのを待っていたが、途中から時間を忘れて思わず仕事に集中してしまった。