9月:ドイツ-5
かわいらしいデザインの瓶ビールを飲んで軽く酔う。
小川君が買ってきてくれたテイクアウトの料理をつまみながら
ドイツの話を聞いた。
2時間ぐらい話をして再び大きなあくびをする。
「寝な。明日と明後日は休みを取ったから案内するよ」
そう言って私の髪をなでる。
「うん。ありがとう」
小川君を見てほっとしたからか睡魔に襲われる。
「明日ね」
「ごめん。俺はもう少しだけ仕事しちゃう」
「うん」
きっと明日と明後日、休むために仕事を持ち帰っているんだろう。
ありがとう。
大好き。
やっぱり直接顔を見て、抱きしめられてそう思う。
来てよかった。
私はそう思いながら小川君の布団の中にもぐりこんだ。
小川君のにおいに包まれて、小川君が今朝まで寝ていた布団に包まって
私はスっと安心して眠る。
大好き。
そう思う気持ちは自然とわいてくる気持ちで
起こそうと思っても起きない。
私は秋田さんを好きになりそうな気持を
奥の奥に閉じ込める。
不安と一緒に鍵をかけた。
なくなってしまえばいいのに。
そんなことを心の隅で思っていた・・・