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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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9月:ドイツ-4


夜中に目が覚めて、いつもと違う空気の匂いに
「あぁ。ドイツに来たんだっけ」
そう思って見回すと、スタンドの光がベッドから離れたところに小さく光っていた。

そっとベッドを抜け出して、明かりを頼りに部屋も抜け出せば
リビングでお酒を飲みながらパソコンを打つ小川くんがいて

「仕事中?」

そっと声をかける。

「起きた?」
「うん」
「時差ぼけになるかも、と思ったけど疲れてるみたいだったから」

見たことのない眼鏡を外して笑いかける。

「眼鏡、してるんだ?」
「あ、ぁ。日本から持ってきたコンタクトが切れちゃって。
ネットで買うか、どうしようか迷っているうちにもう眼鏡でいいか。って」
「初めて見た」

静かに隣の椅子に座ると
小川くんが頬にキスをした。

「お腹空いてる?」
「ん」
「本当はどこに食べに連れて行こうか色々考えたんだけど」

そういって笑う。

「起きなそうだったからテイクアウトを買って来た」
「・・・ありがとう」
「ビール?ワイン?」

かいがいしく用意をしてくれる小川くんは、すっかりこの部屋での生活になれているようで

「ドイツと言ったらビールかなぁ」
そう答える私に
「ここの白もいけるよ」
小さくボトルを振った。

「でも、初日はビールかな」

その答えに流暢に
「Alles klar」と笑いながら瓶のビールを冷蔵庫から出してくれた。




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