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遠恋カレンダー
【女性向け 官能小説】

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8月:花火-1


あれから秋田さんは会社でちょくちょく私に声をかけてくれる。

小川君は忙しいらしく、時差も相まってあまり話せていない。

「夏休み、どうしよう」

7月半ばから9月末までに5日取れる夏季休暇は自由な日程で申告できる。

経理部は20日から月末月初は忙しいからそれ以外でとる人が多い。
田舎のある人はお盆にとることが多いけど
私は田舎もないし、特にお盆には毎年とっていない。

小川君に合わせようとしたけど
「ドイツの夏休みっていつ取れるんだろう」

そんな疑問を投げかけて聞いてみれば
「いま、連日の経過観察が必要な実験をしていて休日も交代で出勤しているんだ」
「そうなんだ・・・」

そのあとに続く言葉が想像できた。

「連続の休暇は難しいかな・・・」

分かっているつもりだった。
海外転勤を言われた時から、なかなか会えないとは思っていたし
時差ももちろん分かっていた。

でもこんなに会えないなんて思ってもみなかった。
「甘かったな」

「え?何か言った?」

ボソッとつぶやいた私の言葉はドイツには届かなかったようで
それは実際の飛行時間の距離なのか、心の距離なのか・・・



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