禁じられた恋と性 ( 6 )-4
私はこの先に、彼女がどのようなことを言うのか不安だった。
「それからこのように娘から聞いています、貴方様に娘から抱いて欲しいと言ったことも」
「あぁ、そのようなことも、娘さんは言ったんですね」
「ですから、一方的に貴方を責めることができません、でも……」
「はい」
私は彼女の顔を見つめていた。
たしかに親子だけによく似ていた。
美少女の母親だけに、美しさは血を引くものだと思いながら、
彼女にはトモミには無い大人の色香が感じた。
「娘は18歳になったばかりの高校生です、
ですのでもう子供では無いかもしれません。
性的にも自立して良い年頃だとわたくしは理解しています」
「はい、そうですね」
「この歳でセックスなど経験している女の子が少なくないことも知っています」
「そうですよね、今の時代では」
少しだが、やっとここで私は自分の意見が言えるようになった。
私は喉が渇いていた、思わずレモンティーで喉を潤した。
「でも、貴方様は妻帯者でいらっしゃいますよね」
「はい、申し訳ありません、で……私はどのようにすれば?」
いよいよ、話は確信に入っていく。
だが彼女は思いがけないことを言った。
始め、その言葉を聞いて私は信じられなかった。
江梨子は私に言う言葉を選んでいたようだった。
時々、上目遣いに私の顔をチラリと見て迷っていた。
だが、彼女の頭の中は私を責める言葉を探していたわけではなかった。
いつもトモミが私にセックスをねだる時のように、頬を染めながら。
「わたくしは、娘が貴方からどうしても離れたくないと聞きました」
「そ、そうですか……」
「離れるのなら、死んでしまいたいとまで」
「そんなことまで……」
「そのように思う娘の心をわかってあげたいのです、理解したいのです。それで……」
一気に江梨子は、感情を抑えながらも私に訴えているようだった。
私は彼女が何を言うのか不安になってきた。怖かった。
何か思い詰めたように、少し顔色が変わってきたからだ。
これからも一生、娘の面倒を見ろとでも言うのだろうか。
「はい、それで?」
「わたくしも娘と同じようにして欲しいのです」
「えっ?」
「わたくしは、娘と同じ気持ちになりたいのです、
同じように体で感じたいのです。
かけがえのない私達は親子ですから」
そう言うと江梨子は感極まってハンカチを咥え嗚咽したのだ。
それに驚いて私たちを見ている客達は何があったのかと見ていた。
私は驚きながら彼女の肩を軽く優しく叩いた。
「落ち着いてください、江梨子さん」
「は、はい……」
私はそのとき、その意味が理解できなかった。
そういう言葉が出るとは想像もしていなかったからである。
「と、言いますと?」
「はい、今日はそのつもりでやってまいりました。
そう言うと江梨子は顔を赤らめて、ハンカチで顔を覆った。
その目にはうっすらと涙さえ滲ませている。
「トモミちゃんと同じようにと言うことは、性的なことを言っているんですよね」
「は、はい……そう言うことです」
「では、私は貴女を抱いてもいいということですね」
「そういうことです、あぁ、恥ずかしいです」
江梨子はハンカチで顔を覆い下を向いた。
「ほ、ほんとうに良いんですね、本当に?」
私はこの瞬間になり、いきなり下半身が熱くなり、勃起していた。
トモミと同じように、目の前の彼女を女として扱って欲しいと言う。
「はい、貴方様さえ、良ければと……如何でしょうか」
少し間を置いて私は言った、もちろんそれを否定する気持ちはさらさらない。
ただ本当のことを知りたかった。
(これから一切に於いて娘とは合わないで欲しい、
まだ高校生の将来がある女の子を惑わせないで欲しい、
そして最後には責任を取って欲しい)
このようなことを言われると思っていたので、
さすがに私も心の整理がついていなかった。
しかし私の心はもう決まっていた。
願ってもないことが、現実になりそうな気がしたからである
「いいですよ。でも一つお聞きしたいことがあります」
「はい、何でしょうか?」
私が彼女の申し出を受けて承諾したのが嬉しかったのだろうか、
その顔は喜びに満ちていた。